痔の出血や痛み、肛門周囲の皮膚炎、術後の創傷ケアなど、幅広い症状に使われている「ヘモポリゾン軟膏」。
「以前、病院で処方してもらったけれど、市販でも買えるのかな?」
「ボラギノールとは何が違うの?」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ヘモポリゾン軟膏の基本情報から、市販での購入方法、効果・使用方法・副作用を薬剤師がわかりやすく解説します。
ヘモポリゾン軟膏の基本情報
出典:ユウキ薬局
項目 | 詳細 |
製品名 | ヘモポリゾン軟膏 |
主成分(1g中) | 大腸菌死菌浮遊液 0.163 mL/ヒドロコルチゾン 2.5 mg |
剤形 | 軟膏(2gチューブ、ノズル付) |
効能・効果 | 痔核(いぼ痔)、裂肛(切れ痔)、肛門周囲の湿疹や炎症、直腸炎、術後の肛門創傷の治療 |
販売会社 | ジェイドルフ製薬株式会社 |
先発・ジェネリック | ジェネリック医薬品(先発医薬品:強力ポステリザン軟膏) |
保存方法 | 直射日光を避け、室温(1~30℃)で湿気の少ない場所に保存 |
※この記事は医療用医薬品の正しい使用を促す目的で、薬剤師監修のもとで執筆しています。市販薬との違いや使用上の注意については、必ず薬剤師・医師へご相談ください。
ヘモポリゾン軟膏ってどんなお薬?
ヘモポリゾン軟膏は、抗炎症作用と組織修復促進作用を併せ持つ医療用外用薬です。
主成分である「大腸菌死菌浮遊液」が局所の免疫反応を高め、炎症部位の修復を促すと同時に、もう一つの成分「ヒドロコルチゾン」が腫れやかゆみ、痛みなどの炎症症状を抑えます。
特に多く使用されているのが、痔核(いぼ痔)や裂肛(切れ痔)などの肛門疾患。痔の不快な症状を緩和し、傷の治癒をサポートする目的で使われます。
また、肛門手術後の創傷ケアや、肛門周囲の湿疹・皮膚炎といった皮膚トラブルにも使用されており、比較的幅広い肛門疾患に対応できる軟膏です。
ヘモポリゾン軟膏の効能・効果
- 痔核・裂肛による出血、痛み、腫れ、かゆみの緩和
- 肛門手術後の創部ケア
- 肛門周囲の湿疹・皮膚炎
- 軽度の直腸炎の症状緩和
有効成分の組み合わせにより、抗炎症作用+局所感染防御効果で症状の改善に働きます。
強力ポステリザン軟膏とヘモポリゾン軟膏は同成分
ヘモポリゾン軟膏は、「強力ポステリザン軟膏」とまったく同じ有効成分を含んだ後発医薬品(ジェネリック)です。
効果や使い方も同じで、違いは主に製薬会社や薬価(価格)です。そのため、過去にポステリザン軟膏を使用していた方にも、同様の治療効果が期待できます。
ヘモポリゾン軟膏の基本的な使い方
1日1~3回、患部に塗布またはチューブで注入。ノズル部分だけを挿入し、本体全体を挿入しないよう注意。
継続使用は医師・薬剤師の指導のもとで行いましょう。
副作用について
ヘモポリゾン軟膏は比較的安全性の高いお薬ですが、まれに副作用があらわれることがあります。
主な副作用としては、かゆみや使用部位の不快感、便意などが報告されています。これらは塗布した部分に一時的な刺激が加わることで起こることが多く、通常は軽度で一過性です。
そのほか、接触皮膚炎、発疹、赤み(紅斑)、ピリピリとした刺激感が出る場合があります。また、まれにカンジダ症や白癬などの真菌感染症、ウイルスや細菌による二次感染が起こることもあります。
このような症状に気づいた場合は、使用を中止し、医師や薬剤師に相談するようにしてください。
使用する際には、次のような点にも気をつけましょう。
- 感染を伴う部位(真菌・ウイルス・結核など)には使用できません。
- 妊娠中・授乳中の方、小児や高齢者が使う場合は、医師や薬剤師に相談のうえ慎重に使用してください。
- この薬は目のまわりには使えません。目に入らないよう十分に注意しましょう。
ヘモポリゾン軟膏を市販で購入できる?購入方法
ヘモポリゾン軟膏は、日本国内では医療用医薬品に分類されており、市販で購入することはできません。
そのため、ドラッグストアやAmazonや楽天などのネット通販で購入することはできず、必ず医師の処方が必要になります。
個人輸入や海外通販での購入は危険?
個人輸入サイトなどで、ポステリザン軟膏などが販売されていることがありますが、偽造品や品質不良のリスク、通関トラブルなど安全性に問題があるため、個人輸入はおすすめできません。
購入は、国内の零売薬局やオンライン診療経由での入手が安全で確実です。
【自宅にお薬が届く】オンライン診療を活用しよう!
近年では、医療機関によるオンライン診療を通じて、ヘモポリゾン軟膏を処方してもらえるサービスが普及しています。
スマホやパソコンから医師の診察を受けることで、来院せずにお薬を処方してもらうことができます。
ユウキ薬局でも、提携しているクリニックのオンライン診療を受けたうえで、ご自宅までセファランチン錠を配送するサービスを提供しています。
ユウキ薬局のオンライン診療は、LINEで診察を受け決済を済ませると、自宅にお薬が発送されます。
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ヘモポリゾン軟膏の代わりに市販で買える痔の薬はある?
ヘモポリゾン軟膏と同じ成分を含む市販薬は現在販売されていません。
しかしながら、痔の症状をやわらげるための市販薬にはさまざまな選択肢があります。
以下のような製品が、ドラッグストアやAmazonなどで購入可能です。
- ボラギノールA軟膏:プレドニゾロン(ステロイド)やリドカイン(局所麻酔薬)、アラントインなどを配合した総合処方で、炎症、痛み、出血などに対応
- プリザエース軟膏:抗炎症成分や血行促進成分を含み、患部の修復をサポート。すっきりとした使用感を好む方に向いています。
- ラナケイン軟膏:かゆみに特化した市販薬で、ジフェンヒドラミンなどの抗ヒスタミン成分を含み、皮膚の刺激やかゆみに効果を発揮します
ヘモポリゾン軟膏と市販薬は何が違うの?
ヘモポリゾン軟膏に含まれる「大腸菌死菌浮遊液」は、免疫の働きを高めて組織の修復を促す特殊な成分です。これは市販薬には配合されていない医療用成分のため、単にステロイドやかゆみ止め成分では代替が難しい点があります。
そのため、市販薬で症状が改善しない場合や再発を繰り返す場合には、医療用医薬品であるヘモポリゾン軟膏の使用を検討し、薬剤師や医師に相談することをおすすめします。
ヘモポリゾン軟膏に関する「よくある質問」
ここからは、ヘモポリゾン軟膏に関するよくある質問をまとめました。
ヘモポリゾン軟膏を長期使用しても大丈夫?
ヘモポリゾン軟膏にはステロイド(ヒドロコルチゾン)が含まれており、炎症やかゆみ、腫れをしっかり抑える効果があります。そのため、症状が強く出ている急性期に短期間使うのが基本です。
数日から数週間の使用であれば、副作用の心配はほとんどありませんが、長期間連続して使用し続けると、肛門やその周囲の皮膚・粘膜が弱くなり、かぶれや感染症が起こりやすくなるおそれがあります。
症状が長引く場合や、使用を続けるべきか迷った場合には、自己判断で継続せず、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。
ドラッグストアでもヘモポリゾン軟膏は買えますか?
ヘモポリゾン軟膏(強力ステリザン軟膏)は、ドラッグストアやAmazon、楽天などの通販サイトで購入することはできません。
通院せずにヘモポリゾン軟膏を購入する場合は、零売薬局やオンライン診療を利用しましょう。
ボラギノールとヘモポリゾン軟膏の違いは?
ボラギノールAは市販薬で、痛み・かゆみ・出血など複数の症状に対応した総合処方です。
一方、ヘモポリゾン軟膏は処方薬で、炎症を抑えるステロイドと免疫を調整する成分が入っており、組織修復を重視した治療向けの薬です。
ヘモポリゾン軟膏のステロイドの強さはどのくらいですか?
ポステリザン軟膏やヘモポリゾン軟膏に含まれているヒドロコルチゾンは、ステロイド分類の中でも最も弱いグループである「ウィーク(弱い)」に該当します。
痔の治療に用いられる外用薬の中でも、比較的穏やかな効き目の成分で、安全性の高いステロイドとして知られています。
使用期間や量については、医師や薬剤師と相談のうえで適切に使うことが大切です。
痔ではないですが、かゆみや痛みにも効果はありますか?
肛門周囲の湿疹や皮膚炎、かゆみ・痛みにも効果があります。ただし、感染を伴う場合や原因が不明な場合は医師・薬剤師に相談してください。
まとめ
ヘモポリゾン軟膏は、医師の処方が必要な医療用医薬品であり、市販では購入することができません。
効能としては、痔核(いぼ痔)や裂肛(切れ痔)、肛門周囲の皮膚炎、術後の創傷ケアなどに使われ、炎症を抑えながら傷の修復をサポートする働きがあります。
最近では、オンライン診療を活用することで、来院せずに自宅で診察を受け、処方・配送まで完結させることも可能になってきています。
市販薬では代替できない成分も含まれているため、自己判断ではなく、薬剤師や医師と相談しながら使用することが大切です。
また、ユウキ薬局のオンライン診療でもヘモポリゾン軟膏の取り扱いがございますので、ぜひご利用ください。
参考資料