こんにちは、ユウキ薬局です。
今回は、アレグラの効果や副作用、使用上の注意、市販薬などについてお話しします。
アレグラは、サノフィ社(当時 Marion Merrell Dow,Inc.)が開発したかゆみや鼻炎などのアレルギー症状をやわらげるアレルギー性疾患治療剤です。
アレグラ錠のジェネリック(後発医薬品)は「フェキソフェナジン塩酸塩錠◯mg」+「メーカー名」で表記されます。
ジェネリック(後発医薬品)についてはこちらの記事を参考にしてください。
>>>ジェネリック医薬品は危険なの?新薬との違いや安さの理由を解説
アレグラ(フェキソフェナジン)ってどんな薬?
アレグラ錠の成分と作用
アレグラ錠は「フェキソフェナジン塩酸塩」を有効成分とするアレルギー性疾患治療剤です。
フェキソフェナジン塩酸塩はアレルギーの原因となる物質(ヒスタミン)や炎症をおこす物質の作用を抑えることでアレルギー症状を改善します。
アレグラ錠の有効成分 | 添加物 |
---|---|
1錠中フェキソフェナジン塩酸塩30mg/60mg |
結晶セルロース、部分アルファー化デンプン、クロスカルメロースナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、ヒプロメロース、ポビドン、酸化チタン、マクロゴール400、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄 |
アレグラの効能効果、どんなときに使われる?
アレグラは花粉症などのアレルギー性鼻炎の症状に最もよく使われ、鼻水、鼻づまり、くしゃみといった不快な症状の緩和に役立ちます。
その他、蕁麻疹やかゆみなどの皮膚症状にも使われます。
アレグラ錠の添付文書に記載されている効能効果は以下のとおりです。※添付文書…医療用医薬品の基本的な要約情報
- アレルギー性鼻炎
- 蕁麻疹
- 皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症、アトピー性皮膚炎)に伴うそう痒
アレグラ錠の飲み方
アレグラ錠の飲み方は服用する年齢で異なり、通常は次のとおり服用します。
年齢 | 飲み方 |
---|---|
成人 | 1回60mgを1日2回 |
12歳以上の小児 | 1回60mgを1日2回 |
7歳以上12歳未満の小児 | 1回30mgを1日2回 |
アレグラ錠の市販薬は?
アレグラの有効成分フェキソフェナジン塩酸塩を配合する市販薬として「アレグラFX」「アレグラFXジュニア」などが発売されています。
アレグラFXとアレグラFXジュニアは、それぞれフェキソフェナジン塩酸塩を60mg、30m含み、成分量だけでなく添加物も医療用のアレグラ錠と同じです。
また、アレグラの市販薬は第2類医薬品に分類されるのでAmazonなどのインターネット通販での購入も可能です。
アレグラFX【第2類医薬品】
アレグラFXは有効成分「フェキソフェナジン塩酸塩」がアレグラ錠60mgと同量配合されています。
アレグラFXは15未満の小児は使用することはできません。
包装 | メーカー希望小売価格(税込) |
---|---|
14錠 | 1,446円 |
28錠 | 2,075円 |
56錠 | 3,850円 |
アレグラFXジュニア【第2類医薬品】
アレグラFXジュニアは子ども用(7歳~14歳用)のアレグラです。
アレグラFXジュニアには有効成分「フェキソフェナジン塩酸塩」がアレグラ錠30mgと同量配合されています。
包装 | メーカー希望小売価格(税込) |
---|---|
16錠 | 1,298円 |
病院で処方されるアレグラと市販薬アレグラFXの違い
病院で処方されるアレグラと市販薬アレグラFXでは、使用できる症状が異なります。
市販薬のアレグラFXは鼻水、鼻づまりなどの鼻のアレルギー症状にのみ使用することができます。
処方薬のアレグラとは違い、気管支喘息、蕁麻疹や皮膚のかゆみなどの症状に対しては使用できません。
病院で処方されるアレグラと市販薬アレグラFXの効能効果の違いは次のとおりです。
効能・効果 | |
---|---|
アレグラ錠(処方薬) | 気管支喘息、アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症、痒疹、そう痒を伴う尋常性乾癬 |
アレグラFX(市販薬) | 花粉、ハウスダスト(室内塵)などによる次のような鼻のアレルギー症状の緩和:鼻水、鼻づまり、くしゃみ |
どの市販薬についてもいえることですが、市販薬は自己判断で使用できてしまうため処方薬よりも制限が厳しくなっています。
市販薬を使用する場合は薬の説明書よく読んで、決められた用法・用量を必ず守るようにしてください。
アレグラの副作用
アレグラ錠の国内外の臨床試験において、総症例6,809例(国内1,060例、海外5,749例)中、1,093例(16.1%)に副作用が報告されています。
主な副作用は次のとおりです。
- 頭痛310例(4.6%)
- 眠気158例(2.3%)
- 嘔気83例(1.2%
アレグラは他の抗アレルギー薬と比較しても眠気の副作用は少ないとされ、添付文書でも車の運転などに関する注意書きはありません。ですが0ではないので車の運転など危険を伴う作業には気をつけましょう。
重大な副作用
滅多に現れることはありませんが、特に注意が必要な重大な副作用と、それぞれの主な自覚症状を記載します。
このような症状が現れた場合は、ただちに医療機関を受診するようにしてください。
重大な副作用 | 主な自覚症状 |
---|---|
ショック、アナフィラキシー | 冷や汗、息切れ、蕁麻疹、動悸、眼と口唇のまわりのはれ、意識の低下 |
肝障害、黄疸 | 吐き気、尿が褐色になる、白目や皮膚が黄色くなる |
無顆粒球症 | 突然の高熱、寒気、のどの痛み |
上記以外でも気になる症状が出た場合は、医師または薬剤師に相談してください。
アレグラの使用上の注意
妊娠中や授乳中の使用
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、使用経験が少なく、安全性は確立されていません。
授乳中に関しては治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討することとされています。
このようにメーカーから安全性は保証されていませんが、妊娠、授乳中であることを知った上で医師が処方している場合は問題ありません。
なお、国立生育医療研究センターの報告では、アレグラは授乳中「安全に使用できると思われる薬」に分類されています。
とはいえ妊娠中や授乳中は自己判断で服用せずに必ず医師に相談するようにしてください。
小さな子どもへの使用
アレグラは生後6ヶ月から使用することができますが、年齢によって量が異なります。一般的に生後6ヶ月以上の小児に使用する量は次のとおりです。
年齢 | 剤型 |
---|---|
12歳以上の小児 | アレグラ錠60mg |
7歳以上12歳未満の小児 | アレグラ錠30mg(アレグラドライシロップ0.6g包装と同じ量) |
2歳以上7歳未満の小児 | アレグラドライシロップ0.6g包装 |
6ヵ月以上2歳未満の小児 | アレグラドライシロップ0.3g包装 |
低出生体重児、新生児、6ヶ月未満の乳児に対しては使用経験が少なく、安全性は確立されていません。
アレグラを服用してはいけない人【禁忌】
以下に該当する方はアレグラを服用できません。
- アレグラの成分に対し過敏症を起こしたことのある方
最後に
今回は花粉症などアレルギー性鼻炎によく使われるアレグラについて紹介させていただきました。
花粉症など季節性のアレルギー症状の場合は、その季節の直前から服用を開始して、その季節が終わる頃まで続けることが大切です。
薬の効果には個人差があるため、アレグラは効かないと感じる方もいます。
そういったときはむやみに市販薬を試すのではなく、症状の改善がみられない場合は一度、医療機関を受診するようにしてください。
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参考資料
アレグラ錠30mg/アレグラ錠60mg/アレグラOD錠60mg (pmda.go.jp