水虫や脂漏性皮膚炎、背中のニキビなど、皮膚の真菌トラブルに使われる「ケトコナゾール」。その有効成分は、クリームやローションとして処方されることが多く、医師の診察を経て入手されるのが一般的です。
しかし、「ドラッグストアでは買えないの?」「通販やAmazonでは売ってないの?」と疑問に思う方も少なくありません。
この記事では、ケトコナゾールの外用薬(クリーム・ローション)の基本情報から、市販・通販の購入可否、オンラインで簡単に手に入れる方法などを詳しく解説します。
ケトコナゾールとは?どんな薬?
ケトコナゾールの特徴と働き
ケトコナゾールは、「抗真菌薬(こうしんきんやく)」に分類される医薬品で、カビ(真菌)によって引き起こされる皮膚トラブルを治療するために用いられます。
真菌の細胞膜の合成を阻害し、その成長や繁殖を防ぐことで、感染症の改善を図る仕組みです。
ステロイドのような炎症を抑える作用とは異なり、「真菌そのものを死滅させる」点がケトコナゾールの大きな特徴です。
ニゾラールとケトコナゾールの違い
ケトコナゾールには、先発医薬品とジェネリック医薬品があります。
- ニゾラール:ケトコナゾールを有効成分とした先発医薬品。塗り薬としては「ニゾラールクリーム」や「ニゾラールローション」が存在します。
- ケトコナゾール(一般名):ニゾラールの特許が切れた後に登場したジェネリック医薬品。製品名は「ケトコナゾールクリーム」や「ケトコナゾール外用液」など。
成分・効果・安全性は同等ですが、価格はジェネリックの方が安価であるため、現在では多くの医療機関がケトコナゾール(後発品)を処方しています。
使われる部位と目的
ケトコナゾールは、以下のような症状・部位に対して使われます。
- 顔まわり・Tゾーン:脂漏性皮膚炎(皮脂による赤み・フケ・かゆみ)
- 頭皮:フケ症状、脂漏性皮膚炎、マラセチア関連の炎症
- 背中・胸部:マラセチア毛包炎によるニキビ様のブツブツ
- 足・爪まわり:足白癬(いわゆる水虫)
- 股部・陰部:カンジダ性皮膚炎、股部白癬などの真菌感染
とくに「脂漏性皮膚炎」「マラセチア毛包炎」といった皮膚の常在菌バランスの乱れによる疾患に処方されるケースが多く、皮脂の多い部位(頭皮・鼻の周囲・眉間・耳のうしろなど)への使用が目立ちます。
クリームとローションの違い
ケトコナゾールの外用薬には主に「クリーム」と「ローション」の2つの剤形があります。これらは使用部位や皮膚の状態に応じて使い分ける必要があります。
たとえば、頭皮のフケや赤みに悩んでいる場合はローションタイプを、顔の小さな炎症や乾燥が気になる部位にはクリームタイプを使うのが一般的です。
どちらも塗布後は洗い流す必要はなく、1日1~2回、患部に薄く塗ることで効果を発揮します。
剤形 | 特徴 | 主な使用部位 |
クリーム | 保湿力が高く、患部にしっかりとどまりやすい。刺激が少ない。 | 顔、陰部、手足など |
ローション | サラッとしており、広範囲や毛の多い部位にも使いやすい。 | 頭皮、背中、胸、首筋など |
ケトコナゾールの使い方と注意点
使用頻度と塗り方
ケトコナゾール外用薬は、医師の指示に従って1日1回~2回、清潔な患部に薄く塗布するのが基本です。
使用前には患部を洗浄してタオルでやさしく拭き取り、乾いた状態で塗布してください。薬を厚く塗りすぎる必要はなく、「うすく均一に広げる」ことが効果的な使い方です。
塗った後は自然に乾かし、こすったり洗い流したりしないように注意しましょう。
また、外用薬は継続して使用することが大切です。症状が軽快してもすぐにやめず、一定期間の使用継続が再発防止につながります。
使用部位ごとの注意点
ケトコナゾールは、部位によって塗布時の注意点が異なります。以下のような点に注意してください。
- 顔(特に目のまわり):皮膚が薄く敏感なため、刺激を感じることがあります。目の周囲は避け、赤みやピリピリ感が出た場合は使用を中止して医師に相談しましょう。
- 頭皮:ローションタイプが適しており、洗髪後の乾いた頭皮に使用します。液が垂れないよう指先でなじませながら塗布してください。
- 陰部:デリケートな部位のため、ごく少量をやさしく塗布します。刺激が強く出る場合は中止して医師に相談を。
- 背中・胸部:マラセチア毛包炎によるニキビ様のブツブツに用いられます。入浴後など清潔な状態で塗布し、肌着との摩擦にも注意しましょう。
- 足・股部(白癬):しっかりと乾燥させた後に塗布します。靴下や下着で蒸れやすいため、通気性にも気を配るとより効果的です。
副作用について
ケトコナゾールは一般的には安全性の高い外用薬ですが、ごくまれに以下のような副作用が生じることがあります。
- 皮膚のかゆみ・刺激感
- 発赤(赤み)・乾燥
- 接触性皮膚炎
- ピリピリとした痛みや灼熱感
これらの症状が出た場合は、すぐに使用を中止し、医師の指示を仰いでください。
ほかの治療薬との併用について
ケトコナゾール(ニゾラール)外用薬は、内服薬と併用していても基本的には問題ありませんが、外用薬の重ね塗りには注意が必要です。特に、ステロイド外用薬を自己判断で併用することは避けてください。
水虫(白癬)やマラセチア毛包炎などの真菌が原因となる皮膚疾患では、ステロイドによってかえって症状が悪化したり、見かけ上の炎症が抑えられても原因菌が残って治癒が遅れることがあります。
治療中に他の塗り薬も併用したい場合は、必ず医師に相談したうえで使い分けの方法や順番などを確認しましょう。
ケトコナゾールはどこで売ってる?市販薬は?
日本国内では「医療用医薬品」に分類される
ケトコナゾールを主成分とするクリームやローションは、日本では医師の処方が必要な「医療用医薬品」に分類されています。
そのため、以下のような一般的な販売ルートでは購入できません。
- ドラッグストア(マツモトキヨシ、スギ薬局など)
- コンビニエンスストア
- Amazon・楽天市場などのネット通販
類似の市販薬との違い
ドラッグストアでは「水虫薬」や「かゆみ止め」といった形で、抗真菌成分を含む製品が販売されています。
代表的な市販の抗真菌薬には以下のようなものがあります:
- ラミシール(テルビナフィン塩酸塩)
- ブテナロック(ブテナフィン塩酸塩)
- ピロエース(クロトリマゾール)
これらはすべて真菌の治療に用いられる成分ですが、ケトコナゾールとは成分も作用機序も異なります。
特に、脂漏性皮膚炎やマラセチア毛包炎といった皮脂の多い部位に生じる炎症性疾患には、ケトコナゾールが最も効果的とされており、市販薬では十分な効果が得られない場合もあります。
ケトコナゾールクリーム/ローションの購入方法
病院で処方を受ける
最も一般的で確実な方法は、皮膚科などの医療機関を受診して処方してもらうことです。
医師の診察によって皮膚の状態を確認してもらい、必要に応じてケトコナゾールが処方されます。
保険診療が適用されるため、比較的安価に入手できるのがメリットです。ただし、次のようなデメリットもあります:
- 受診のための時間がかかる
- 皮膚科の予約が取りづらい
- 再診のたびに通院が必要になる場合がある
零売薬局を利用する
一部の薬局では、処方せんがなくても医療用医薬品を販売する「零売(れいばい)」という仕組みを活用してケトコナゾールを購入できる場合があります。
薬剤師による対面での確認や説明が求められるため、オンラインで完結するわけではありません。
- 近隣に零売対応の薬局があるかどうかを確認する必要あり
- 取り扱いがない場合も多いため、事前に問い合わせが必要
個人輸入・海外通販はおすすめできない
「ケトコナゾールをすぐに手に入れたい」と思い、個人輸入代行サイトや海外通販サイトを利用しようと考える方もいるかもしれません。
たしかに、海外製のケトコナゾール製剤(Nizoralなど)が入手できるサイトも存在しますが、以下のようなリスクがあるため、おすすめできません。
- 偽造品や粗悪品の可能性がある
- 成分や濃度が日本の基準と異なる場合がある
- 医薬品副作用被害救済制度の対象外となる
- 健康被害が起きても自己責任
安全かつ確実に治療を行いたい場合には、正規ルートでの処方を受けることが最優先です。
通販での購入はオンライン診療がおすすめ
「病院に行く時間がない」「すぐに薬を使いたい」という方には、オンライン診療を通じた購入方法がおすすめです。
スマホやパソコンを使って医師の診察を受け、そのまま処方・配送まで完結できるため、忙しい方や遠方に住んでいる方でも利用しやすいのが特長です。
ユウキ薬局のオンライン診療では、LINEで完結する診察ののち、ケトコナゾール外用薬(クリーム・ローション)を全国配送しています。
- 初診もOK・診察料無料
- 処方後すぐに発送可能
- 正規品だから安心
- クリーム・ローションどちらも取り扱いあり
オンラインで完結するため、通院の手間が省けるだけでなく、症状や使用方法についても医師と直接相談できます。
ケトコナゾールに関するよくある質問
ケトコナゾールを水虫に使う場合の塗るタイミングはいつ?
ケトコナゾールを水虫(足白癬)に使用する際は、入浴や足洗いなどで患部を清潔にした後、皮膚がしっかり乾いたタイミングで塗るのが効果的です。
水分が残っていると薬剤が薄まり、効果が十分に発揮されないことがあります。
市販の水虫薬で代用できる?
市販薬の中にも水虫治療を目的とした抗真菌成分(テルビナフィン、ブテナフィン、クロトリマゾールなど)を含むものがあります。
ただし、ケトコナゾールとは異なる成分のため、すべてが完全な代替になるとは限りません。
とくに、脂漏性皮膚炎やマラセチア毛包炎などケトコナゾールが特に有効とされる症状に対しては、市販薬では効果が不十分な場合もあります。
どれくらいで効果が出る?
早ければ数日〜1週間程度でかゆみや赤みなどの症状に改善が見られることがあります。
ただし、真菌は皮膚の奥深くまで存在するため、表面上の症状がなくなっても途中で使用をやめると再発しやすくなります。
妊娠中や授乳中でも使用できますか?
ケトコナゾール外用薬は皮膚からの吸収がごくわずかであるため、通常の使用では全身への影響は少ないとされています。
しかし、妊娠中・授乳中に使う際は必ず事前に医師へ相談しましょう。
ケトコナゾールはAGA(男性型脱毛症)にも効果がありますか?
ケトコナゾールは本来、皮膚の真菌感染症に使用される抗真菌薬ですが、一部の研究では頭皮の炎症を抑える作用や、皮脂分泌をコントロールする効果が報告されており、AGA(男性型脱毛症)の補助的な治療として使用されることもあります。
特に、ケトコナゾール配合のシャンプーは、頭皮環境を整える目的でAGA治療と併用されることがあります。
ただし、ケトコナゾール自体に直接的な発毛促進作用はなく、ミノキシジルやフィナステリドといったAGA治療薬とは作用機序が異なります。
AGAの本格的な治療を検討している方は、専門クリニックでの診察を受けたうえで、自分に合った治療薬を選ぶことが大切です。
>>>AGA治療薬一覧
まとめ
ケトコナゾールクリームやローションは、ドラッグストアなど市販では購入できない「医療用医薬品」です。
零売薬局を利用することで直接購入することも可能ですが、対応している薬局は少ないです。
なお、個人輸入にはリスクがあり、安全に使いたい場合は医師の診察を受けて処方してもらう必要があります。
忙しくて病院に行けない方は、オンライン診療を利用するのが最も手軽かつ安全な方法です。
参考資料