水虫(足白癬)やいんきんたむし、カンジダなど、皮膚真菌症に処方される外用薬「ゼフナート」。患部に1日1回塗るだけで高い効果が期待できる抗真菌薬です。
そんなゼフナートですが、「市販で買える?」「どこで処方してもらえる?」「外用液とクリームの違いは?」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ゼフナートの特徴や成分、使い方、副作用に加え、市販薬との違いや購入方法についても薬剤師の視点で詳しく解説します。
ゼフナートとは?特徴や効果を解説
ゼフナートはどんな薬?抗真菌薬としての役割
ゼフナートは、皮膚真菌症に使われる医療用の外用抗真菌薬です。真菌の細胞膜を構成するエルゴステロールの合成を阻害し、菌の増殖を防ぎます。
主に足白癬(いわゆる水虫)や股部白癬(いんきんたむし)、カンジダ性皮膚炎などの真菌感染症に対して効果があります。
ゼフナート(一般名:リラナフタート)は、非イミダゾール系の外用抗真菌薬であり、チオカルバメート系抗真菌薬に分類されます。代表的な同系薬としてはハイアラージン(一般名:トルナフタート)があります。
水虫・いんきん・カンジダなどに処方される理由
ゼフナートは、白癬菌やカンジダなどの真菌に対して高い抗真菌活性を示すため、以下のような症状に広く処方されます。
- 足白癬(趾間型・小水疱型・角質増殖型)
- 体部白癬(胴体や腕など)
- 股部白癬(いんきんたむし)
- カンジダ性間擦疹・カンジダ性指間びらん症
- 癜風(でんぷう)
これらの疾患は、かゆみや湿疹、皮むけなどを伴い、日常生活にも支障をきたすことがあるため、早期の治療が重要です。
ゼフナートの成分(アリルアミン系)と効果の特徴
ゼフナート(一般名:リラナフタート)は、チオカルバメート系の外用抗真菌薬に分類され、非イミダゾール系抗真菌薬のひとつです。皮膚への貯留性が高く、1日1回の使用で十分な効果が得られるのが特徴です。
また、皮膚糸状菌だけでなく、黒色真菌や二形性真菌、その他の糸状菌に対しても抗真菌作用を示します。剤型にはクリームと外用液があり、使用部位や状態に応じて使い分けることができます。
ただし、リラナフタートや他の抗真菌薬に対して過敏症の既往がある方は使用できません。また、角膜や著しいびらん面への使用も避ける必要があります。使用前には医師や薬剤師にご相談ください。
ゼフナートの使用方法と注意点
塗るタイミングや回数・治療期間の目安
ゼフナートは通常、1日1回、患部を清潔にした後に薄く塗布するのが基本的な使用方法です。入浴後や就寝前など、皮膚が清潔で乾燥しているタイミングで使用するのが効果的です。
水虫などの白癬菌による皮膚真菌症は、一見症状が治まっても、皮膚の奥に原因菌が残っていることが多く、再発リスクがあります。特に足白癬では、かゆみや赤みなどの症状がなくなっても、最低でも2ヵ月間は継続して塗り続ける必要があるとされています。
体部白癬や股部白癬、カンジダ性皮膚炎などの他の部位においても、治療には月単位の時間がかかるのが一般的です。
見た目の症状だけで判断せず、医師または薬剤師の指示があるまで使用を続けることが再発防止につながります。
足白癬にゼフナートを塗るときのコツ(クリーム・外用液別)
ゼフナートクリームの塗り方
足白癬は、見た目に症状がない部分にも白癬菌が潜んでいることがあります。そのため、かゆみや皮むけのある箇所だけでなく、足の指の間(趾間)や足の裏全体にも薬を塗ることが重要です。
ゼフナートクリームを使用する際の目安量は、人差し指の第一関節よりやや多めの量(約0.5g)で片足分です。指に取った薬を使い、足の裏、側面、指の間までまんべんなく薄く広げるように塗布しましょう。
ゼフナート外用液の塗り方
ゼフナート外用液は、さらっとした液状タイプのため、広い範囲に素早く塗りやすいのが特徴です。ただし、使用時には容器内の空気圧に注意が必要です。
- 使用前に容器の空気を軽く抜いておくと、液が飛び出しすぎるのを防げます。
- 塗布する際は、容器の先端を患部に軽く押し当てて、直接塗るのがおすすめです。
- 液が出すぎる場合は、容器を傾けて調整することで適量にコントロールできます。
副作用・かぶれ・かゆみが出たときの対応方法
ゼフナートの副作用として、以下のような軽度の皮膚反応が報告されています。
- 発赤
- ヒリヒリ感
- かゆみ
- かぶれ
強い違和感がある場合や症状が悪化した場合は、使用を中止して医師に相談しましょう。
ゼフナートは市販されている?
ゼフナートは「医療用医薬品」なので市販不可
ゼフナートは医療用医薬品に分類されており、市販薬(OTC医薬品)として薬局やドラッグストアで自由に購入することはできません。
購入には医師の診察と処方が必要です。
そのため、Amazonや楽天市場などの一般的なECサイトで見かけたとしても、国内正規ルートでの市販はされていません。無許可の販売サイトには注意が必要です。
市販で買える類似薬(ラミシールなど)との違い
市販薬として購入できる代表的な抗真菌薬にラミシール(テルビナフィン塩酸塩)やブテナロックなどがあります。
これらは、ゼフナートと似た作用を持つ市販の外用薬ですが、効果の強さ・浸透性・持続性において、ゼフナートの方が優れているという報告もあります。
ただし、症状が軽度な場合には市販薬でも対応可能なケースもあるため、市販薬で改善しない場合は医療機関での処方を検討すべきです。
Amazonなどの通販サイトで購入できる?
「ゼフナート amazon」と検索するとヒットするページもありますが、信頼性が不明な輸入サイトや個人出品などが多く、偽薬や期限切れリスクも否定できません。
誤って購入すると健康被害を招く可能性もあるため、推奨されません。
ゼフナートはどこで買える?購入方法を紹介
病院を受診して処方を受ける
最も確実な方法は、皮膚科などの医療機関を受診してゼフナートの処方を受けることです。
症状の程度を医師に診断してもらい、必要に応じてゼフナートや他の抗真菌薬を選んでもらえます。
ただし、忙しくて病院に行けない方や、近くに皮膚科がない方も多いでしょう。
オンライン診療を活用して自宅で受け取る方法
最近では、スマートフォンを使って医師の診察を受けられるオンライン診療サービスが普及しています。
診察後、処方されたゼフナートは最短で当日発送・翌日到着というスピード対応も可能です。
ユウキ薬局では、提携医療機関の医師によるオンライン診療を通じてゼフナートの処方が可能です。
零売薬局を利用する
一部の薬局では、「零売(れいばい)」制度を利用することで、処方せんがなくても医療用医薬品を購入できる場合があります。
ゼフナートもこの制度の対象となっており、薬剤師の対面での確認と説明を受けることで購入が可能です。
ただし、零売に対応している薬局は限られています。そのため、事前に取り扱いの有無を電話などで確認することをおすすめします。
なお、ユウキ薬局ではゼフナートの零売に対応しており、処方せんがなくても購入いただけます。店舗にご来局いただければ、その場で薬剤師が症状などを確認し、必要に応じて販売が可能です。
個人輸入はおすすめできない理由
海外通販や個人輸入を利用してゼフナートを購入する方法もありますが、以下のようなリスクが伴います。
- 偽造薬や保管状態が不明な薬の危険性
- 成分が異なる可能性
- 輸入規制により没収されるリスク
健康被害を避けるためにも、正規ルート(医療機関・オンライン診療)での購入が推奨されます。
ゼフナートに関するよくある質問(FAQ)
ゼフナートはニキビやヘルペスにも使えますか?
ゼフナートは真菌(カビ)に対する薬であり、ニキビ(アクネ菌)やヘルペスウイルスには効果がありません。
これらにはそれぞれ適した治療薬がありますので、自己判断での使用は避けましょう。
ゼフナート外用液は1本で何日分ですか?
ゼフナート外用液は1本あたり10mL入りで、使用量の目安は1日1回、患部に約1mL程度です。そのため、通常は1本で約10日分使用できます。
ただし、塗布する範囲が広い場合(両足や足底全体、体部など)には1回の使用量が増えるため、7日程度で使い切るケースもあります。
症状や塗布部位の広さによって異なるため、必要に応じて余裕をもって複数本用意しておくことをおすすめします。
妊娠中や授乳中でも使用できますか?
妊娠中・授乳中の使用は、医師の判断が必要です。ゼフナートは比較的安全性が高いとされますが、胎児や乳児への影響を避けるため、必ず医師に相談してください。
水虫が悪化した場合、どうすればいい?
強いかゆみや炎症、水ぶくれなどが出た場合は、別の感染やアレルギーの可能性もあります。
自己判断せず、早めに皮膚科を受診するか、オンライン診療で医師の判断を仰ぎましょう。
まとめ|ゼフナートの購入はオンライン診療が便利
ゼフナートは市販されておらず、購入には医師の診察が必要です。
ただし、近年ではオンライン診療が広く利用できるようになっており、忙しい方や遠方の方でも自宅でゼフナートを受け取ることが可能です。
ユウキ薬局のオンライン診療では、診察から発送までLINEひとつで完結でき、相談も無料で可能です。
正しい方法でゼフナートを入手し、真菌症の治療をスムーズに進めましょう。
参考資料