クラミジア感染症は、日本でもっとも多い性感染症のひとつとされており、早期発見と適切な治療がとても重要です。
なかでも「ジスロマック(一般名:アジスロマイシン)」は、クラミジアの治療に広く使われている抗生物質で、たった1回の服用で治療が完結することから多くの患者さんに選ばれています。
本記事では、ジスロマック(アジスロマイシン)の効果や副作用、服用方法、他の薬との併用時の注意点に加えて、「市販されているのか?」「通販で安全に購入できるのか?」といった疑問についても、薬剤師の視点から詳しく解説していきます。
ジスロマック(アジスロマイシン)とは
ジスロマック(アジスロマイシン)はクラミジア治療の第一選択薬
ジスロマックは「マクロライド系抗生物質」に分類される抗菌薬で、特にクラミジア・トラコマチスに対する高い殺菌効果が確認されています。
日本性感染症学会の治療ガイドラインでも、クラミジア感染症の第一選択薬として推奨されています。
特に尿道炎や子宮頸管炎など、性行為を介して感染するクラミジアに対して有効で、男女問わず治療に用いられています。
ジスロマック(アジスロマイシン)のクラミジアに対する効果
アジスロマイシンは、細菌のタンパク質合成を阻害することで菌の増殖を抑え、最終的には死滅させます。
単回(1回)の服用で血中濃度が1週間以上持続するため、服薬アドヒアランス(指示通りに服用すること)の観点からも非常に優れた治療薬とされています。
実際の臨床データにおいても、アジスロマイシン1,000mgを1回投与した場合の有効率は、投与開始15日目で86.7%(98/113名)、29日目では90.7%(98/108名)と報告されています。
クラミジア治療におけるジスロマック(アジスロマイシン)の飲み方
クラミジア感染症に対するアジスロマイシンの標準的な服用方法は、「1回1,000mgを単回で服用する」ことです。
これはジスロマック錠250mgであれば4錠、またはアジスロマイシン錠500mg(ジェネリック)であれば2錠を、一度にまとめて服用する形になります。
この“1回1,000mgの単回服用”が重要な理由は、アジスロマイシンが体内に長くとどまり、血中濃度が7日以上持続するという薬理特性にあります。
分けて服用したり、量を間違えたりすると、十分な治療効果が得られず、耐性菌のリスクが高まるため注意が必要です。
服用のタイミングについては、食前・食後・食間にかかわらず服用が可能です。
クラミジア治療におけるジスロマック(アジスロマイシン)の注意点
ジスロマック服用後は、クラミジア菌が完全に消失するまで少なくとも1週間以上かかるため、最低でも治療後7日間は性行為を控える必要があります。
症状がすぐに消えても、自己判断での完治とせず、再度感染を防ぐためにも、パートナーとの接触は控えましょう。
また、症状が改善しても勝手に服薬を中止したり、再度服用したりするのは危険です。必ず医師の指示に従ってください。
治癒確認のための再検査(治癒検査)は、服用後2〜3週間ほど空けてから行うのが望ましいとされています。
服用直後に検査をすると、体内に残ったクラミジア菌のDNA断片によって偽陽性になる可能性があるため、時期を見て適切に検査を受けましょう。
ジスロマック(アジスロマイシン)の副作用
主な副作用としては以下が挙げられます:
- 下痢、腹痛、吐き気などの胃腸症状
- 発疹、かゆみなどの皮膚症状
- 一過性の肝機能異常(ASTやALTの軽度上昇)
中でも特に起こりやすいのが「下痢」です。
ジスロマックは1回の服用で1週間以上作用が持続する薬であるため、服用翌日以降〜1週間ほどの間に副作用が出ることがあります。
軽度の下痢であれば時間とともに自然におさまることが多いですが、気になる場合は整腸剤を併用することで症状を軽減できます。
ただし、激しい下痢や血便、発熱などを伴う場合は、偽膜性大腸炎などの重篤な副作用の可能性があるため、速やかに医師の診察を受けてください。
ジスロマック(アジスロマイシン)との併用に注意が必要な薬
以下の薬剤との併用には注意が必要です:
- 制酸剤(マグネシウム・アルミニウム含有):吸収が低下する可能性があります
- ワルファリン:出血傾向のリスクあり
- シクロスポリン:血中濃度が上昇する可能性あり
- ネルフィナビル:ジスロマックの効果を増強させることがあり
- ジゴキシン:ジゴキシン中毒の発現率が上昇する可能性があり
- ベネトクラクス:ベネトクラクスの効果が減弱する可能性があり
常用薬がある方は、服用前に必ず医師または薬剤師へ相談してください。
ジスロマック(アジスロマイシン)は市販や通販で購入できる?
ジスロマック(アジスロマイシン)は市販や国内通販では購入できない
ジスロマックは医療用医薬品に分類され、市販(薬局・ドラッグストア)では販売されていません。
また、Amazonや楽天などの国内通販での購入もできません。
ジスロマック(アジスロマイシン)に類似の成分の市販薬は?
ジスロマックと同じ有効成分(アジスロマイシン)を含む市販薬は、日本国内には存在しません。
また、アジスロマイシンに限らず、抗生物質(抗菌薬)全般は日本では市販されておらず、すべて医師の処方箋が必要な医療用医薬品に分類されています。
これは、抗生物質を誤って使用すると「耐性菌(薬の効かない菌)」が発生し、将来的に治療が難しくなるリスクがあるためです。
個人輸入を利用したジスロマック(アジスロマイシン)の海外通販は危険
一部の個人輸入代行サイトではジスロマックを取り扱っている場合もありますが、偽物や品質に問題のある製品が含まれるリスクがあります。
また、法的にもグレーゾーンであり健康被害やトラブルが多く報告されています。
安全性と確実性を考えると、個人輸入による購入は絶対に避けるべきです。
通販ならオンライン診療を活用しよう!
近年は、オンライン診療を通じて自宅から医師の診察を受け、必要に応じてジスロマック(アジスロマイシン)の処方を受けることが可能です。
処方後は薬局やクリニックから薬が自宅に配送されるため、来院不要で便利に治療を受けられます。
ユウキ薬局でも、提携クリニックのオンライン診療を受けたうえで、ご自宅までジスロマック(アジスロマイシン)を配送するサービスを提供しています。
ユウキ薬局のオンライン診療は、LINEで診察を受け決済を済ませると、自宅にお薬が発送されます。
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ジスロマック(アジスロマイシン)に関するよくある質問
ジスロマックとアジスロマイシンの違いは何ですか?
「ジスロマック」は商品名であり、「アジスロマイシン」はその有効成分名です。
一般名であるアジスロマイシンは、他の製薬会社からもジェネリック医薬品として販売されています。
ジスロマック錠250mgを4錠(1,000mg)服用でクラミジアはいつ治る?
多くの場合、服用から3〜5日程度で菌が死滅し、7日間の経過をもって治癒が確認されます。
ただし、完全な治癒確認には検査を行うことが推奨されます。
ジスロマック(アジスロマイシン)は咽頭クラミジアにも有効ですか?
ジスロマック(アジスロマイシン)は、咽頭クラミジア(喉のクラミジア感染)に対しても効果があります。
ただし、尿道や子宮頸管のクラミジア感染と比べて治癒率がやや低くなる傾向が報告されています。
咽頭は血流が少なく薬が届きにくい部位であること、またクラミジアが咽頭粘膜に潜伏しやすいことなどが、その理由と考えられています。
そのため、咽頭クラミジアでは再検査(治癒確認)が特に重要となります。
ジスロマック(アジスロマイシン)はクラミジア予防のために服用できすか?
予防目的での服用は推奨されていません。
抗生物質の乱用による耐性菌の出現を防ぐためにも、医師の判断のもと必要な場合にのみ服用しましょう。
ジスロマック(アジスロマイシン)はアルコールと一緒に飲んでも大丈夫?
少量のアルコールであれば大きな問題はないとされていますが、胃腸症状や肝機能への影響を考えると、服用日および前後数日はアルコールを控えるのが無難です。
まとめ
ジスロマック(アジスロマイシン)は、クラミジア治療における第一選択薬として非常に効果的な抗生物質です。
1回の服用で長期間効果が持続し、治療継続の負担が少ない点も大きなメリットです。
ただし、抗生物質は医療用医薬品であり、市販では購入できません。
自己判断での服用や、信頼性の低い通販サイトでの個人輸入は避け、必ず医師の診察を受けて処方を受けるようにしましょう。
ユウキ薬局のオンライン診療では、以下のいずれかに該当する方を対象に提携医療機関からジスロマックの処方を行っています。
- 検査でクラミジア感染が確認されている方
- パートナーがクラミジアに感染しており、自身も治療が必要な方
- 過去にクラミジアに感染した際と同じ症状が出ている方
これらに該当する方は、スマートフォンから簡単に受けられるオンライン診療を通じて、ジスロマックの処方と自宅配送までをスムーズに行うことが可能です。
参考資料