こんにちは、ユウキ薬局です。
今回は「セルタッチパップ」についてお話しします。
セルタッチパップは、帝國製薬株式会社によって開発された腰痛や肩こり、関節痛などに対して処方される痛み止めの貼り薬です。
貼り薬としてはパップ剤だけでなくテープ剤も販売されています。
セルタッチパップのジェネリック(後発医薬品)は「フェルビナクパップ」+「メーカー名」で表記されます。
ジェネリックって何?という方はこちらの記事を参考にしてください。
>>>ジェネリック医薬品は危険なの?新薬との違いや安さの理由を解説
この記事では専門的な知識がない方にもわかりやすく、セルタッチパップの効果や副作用、使用上の注意、市販薬について簡単に解説しています。
セルタッチパップ(フェルビナクパップ)ってどんなお薬?
セルタッチパップの成分と作用
セルタッチパップは国内初の非ステロイド性消炎鎮痛剤である「フェルビナク」を主成分とする香料を含まない無香性のパップ剤です。
非ステロイド性消炎鎮痛剤は、痛みや炎症のもとである「プロスタグランジン」を抑えることで鎮痛・抗炎症作用を発揮します。
セルタッチパップはパップ剤ですので、テープ剤とは違い、水分を多く含むのでひんやりとしたつけ心地が特徴です。
セルタッチパップ70mg(10cm×14cm)が発売された後、2倍の大きさであるセルタッチパップ140mg(14cm×20cm)も発売されています。
規格 | 成分量 |
セルタッチパップ70mg(10cm×14cm) | 1枚(膏体14g)中にフェルビナク70mg含有 |
セルタッチパップ140mg(14cm×20cm) | 1枚(膏体28g)中にフェルビナク140mg含有 |
セルタッチパップの効能効果、どんなときに使われる?
一般的にセルタッチパップは鎮痛・抗炎症作用を期待して、腰痛や関節痛、筋肉痛、怪我による痛みや腫れに対して処方されることが多いです。
セルタッチパップの添付文書に記載されている効能効果は次の通りです。※添付文書…医療用医薬品の基本的な要約情報
下記疾患並びに症状の鎮痛・消炎
- 変形性関節症
- 肩関節周囲炎
- 腱・腱鞘炎
- 腱周囲炎
- 上腕骨上顆炎(テニス肘等)
- 筋肉痛
- 外傷後の腫脹・疼痛
国内で行われたセルタッチパップ70の臨床試験及び市販後使用成績調査における4,269症例の改善率は以下の通りです。
疾患名 | 中等度改善以上例数/評価対象例数 | 改善率 |
変形性関節症 | 934/1,547 | 60.4% |
肩関節周囲炎 | 432/614 | 70.4% |
腱・腱鞘炎 | 106/144 | 73.6% |
腱周囲炎 | 67/82 | 81.7% |
上腕骨上顆炎 | 106/157 | 67.5% |
筋肉痛 | 500/712 | 70.2% |
外傷後の腫脹・疼痛 | 790/1,013 | 78.0% |
計 | 2,935/4,269 | 68.8% |
セルタッチパップの使い方
セルタッチパップ70、セルタッチパップ140は1日2回、痛みを感じる部位に貼付します。
かぶれを防ぐためにも汗をかいていたり、患部がぬれている場合は、よく拭き取ってから使用しましょう。
また、粘膜や傷ついた皮膚、湿疹や発疹の出ている部位には使用してはいけません。
セルタッチパップの市販薬は?
セルタッチパップと同じ有効成分「フェルビナク」を含有する市販薬としては「オムニードフェルビナク」があります。
オムニードフェルビナク【第2類医薬品】
オムニードフェルビナクはセルタッチパップと同じ帝國製薬株式会社により製造販売されており、サイズは14cm×10cmでセルタッチパップ70mgと同じ大きさになります。
セルタッチパップ70と比べると添加物に若干の違いはありますが、1枚あたりの有効成分「フェルビナク」の配合量は同等です。(1枚あたりフェルビナク70mg)
また、オムニードフェルビナクは第2類医薬品に分類されるので医療用医薬品のセルタッチパップとは違い、インターネット通販での購入も可能です。
オムニードフェルビナク温感
オムニードフェルビナクには温感タイプも発売されています。
オムニードフェルビナク温感は、痛みを抑えるフェルビナクに加え、患部に心地よい温感刺激を与えるトウガラシエキスを配合しています。
セルタッチパップの副作用
セルタッチパップは副作用集計対象の5,033例中、71例(1.41%)に副作用が認められています。
- 皮膚炎(発疹、湿疹を含む)…0.44%
- そう痒(かゆみ)…0.44%
- 発赤…0.40%
- 接触皮膚炎(かぶれ)…0.34%
主な副作用としては、使用した部位のかぶれやかゆみなどの皮膚症状です。
その他、セルタッチパップの重大な副作用(頻度不明)としてショック、アナフィラキシー、アスピリン喘息(喘息発作の誘発)があります。以下に記載するような自覚症状があらわれた場合は、直ちに医師または薬剤師に相談してください。
重大な副作用(頻度不明) | 主な症状 |
---|---|
ショック | めまい、冷や汗、血の気が引く、息切れ、判断力の低下 |
アナフィラキシー | しゃがれ声、眼と口唇のまわりのはれ、蕁麻疹、動悸、息切れ、ほてり、意識の低下 |
セルタッチパップの使用上の注意
妊娠中や授乳中の服用について
セルタッチパップの妊娠中の使用に関する安全性は確立されていないので、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用することとされています。
授乳中に関しての注意書きは添付文書に記載されていません。
医師、薬剤師に相談のうえ使用するようにしましょう。
小さな子どもへの使用について
セルタッチパップは新生児、乳幼児、小児などに対する使用経験が少ないため安全性は確立されていません。
喘息をお持ちの方への使用
気管支喘息を持っている方の中には、アスピリン喘息といってNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)によって喘息発作を誘発してしまう方がいるので注意が必要です。
息切れ、息苦しい、息をするときヒューヒューと音がするなどの症状が現れた場合は使用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。
最後に
今回紹介させていただいたセルタッチパップなどの消炎鎮痛剤による治療は、あくまで対症療法です。
※対症療法…病気の原因に対してではなく、症状を出なくしたり軽減するための治療
しばらくしても痛みや腫れが引かない場合は一度、医療機関を受診するようにしましょう。
関連記事
【モーラステープ】市販薬はあるの?効果や副作用についても併せて解説します
ロキソニンテープの効果や副作用│市販薬の有無や違いを解説します
【ロキソニンパップ】市販薬はあるの?テープ剤との違いも解説します
参考資料