こんにちは、ユウキ薬局です。
今回は「スミルスチック3%(フェルビナクスチック軟膏3%)」の効果や副作用、使用上の注意、市販薬などについてお話しします。
フェルビナクスチック軟膏3%は三笠製薬株式会社により開発された痛みや腫れをやわらげる固形軟膏剤で、ナパゲルン軟膏3%のジェネリック(後発医薬品)です。
ジェネリック(後発医薬品)についてはこちらの記事を参考にしてください。
>>>ジェネリック医薬品は危険なの?新薬との違いや安さの理由を解説
フェルビナクスチック軟膏3%(スミルスチック3%)ってどんな薬?
フェルビナクスチック軟膏3%(スミルスチック3%)の成分と作用
フェルビナクスチック軟膏3%は「フェルビナク」を有効成分とする経皮吸収型の非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)です。
スティックのりのような形状なので、塗りやすく肩こりなどの痛みや炎症を抑える作用があります。
※非ステロイド性消炎鎮痛剤…痛みや炎症のもとである「プロスタグランジン」を抑えることで鎮痛・抗炎症作用を発揮します。
有効成分 | 添加物 |
---|---|
1g中 フェルビナク30mg | プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、マクロゴール、オレイルアルコール、ステアリン酸Na、l-メントール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、スクワラン、イソプロパノール、pH調整剤 |
フェルビナクスチック軟膏3%の効能効果、どんなときに使われる?
一般的にフェルビナクスチック軟膏3%は鎮痛・抗炎症作用を期待して、肩こりや腱鞘炎、腰痛、筋肉痛、関節痛などに対して使用されます。
フェルビナクスチック軟膏3%の添付文書に記載されている効能効果は以下のとおりです。
下記疾患並びに症状の鎮痛・消炎
|
※添付文書…医療用医薬品の基本的な要約情報
フェルビナクスチック軟膏3%の臨床成績
フェルビナクスチック軟膏3%の国内で実施された82例の臨床試験より得られた疾患別の改善率は以下のとおりです。
疾患名 | 中等度改善以上 | 軽度改善以上 |
---|---|---|
変形性膝関節症 | 56.7%(17/30) | 86.7%(26/30) |
肩関節周囲炎 | 58.6%(17/29) | 96.6%(28/29) |
外傷性疾患 | 95.7%(22/23) | 95.7%(22/23) |
フェルビナクスチック軟膏3%の使い方
フェルビナクスチック軟膏3%は、症状に合わせて適量を1日数回、痛みを感じる部位にすり込むように使用します。
使用する際は薬剤を手に取る必要がないので、容器から必要量を出してそのまま使用することができます。
また湿布薬とは違い、日になんども塗り直す必要がありますが、かぶれなどの皮膚炎を起こすことは少ないです。
わかりやすい使い方のイラストを載せておきます。
出典:三笠製薬株式会社
フェルビナクスチックとスミルスチックの違いは?
スミルスチックという商品は現在ありません。
2020年に同じメーカーが、スミルスチック3%からフェルビナクスチック軟膏3%「三笠」に名称変更しました。
名前が変わっただけで、中身や作用は全く同じです。
フェルビナクスチック軟膏3%の市販薬は?
フェルビナクスチック軟膏3%と全く同じものは市販されていません。
しかし、有効成分「フェルビナク」を含む市販薬としては「フェイタスチックEX」などがあります。
フェイタスチックEXは、第2類医薬品に分類されるのでAmazonなどのインターネット通販での購入も可能です。
商品名 | メーカー希望小売価格(税込) |
---|---|
フェイタススチックEX 53g | 1,925円 |
フェイタスチックEX【第2類医薬品】
フェイタスチックEXは処方薬のフェルビナクスチック軟膏3%と同じ「フェルビナク」が3%含有された医薬品です。
また、有効成分にはフェルビナク3%だけでなく、ℓ-メントールが6%配合されているので清涼感のある使用感が特徴です。
含量(100g中) | 添加物 |
---|---|
フェルビナク3.0g、ℓ-メントール6.0g | エタノール、グリセリン、水酸化Na、ステアリン酸Na、八アセチルしょ糖、1,3-ブチレングリコール、ミリスチン酸イソプロピル、ラウリル硫酸Na |
効能・効果は以下の通りです。
フェイタスチックEXの効能・効果 |
---|
関節痛、筋肉痛、腰痛、腱鞘炎(手・手首の痛みとはれ)、肘の痛み(テニス肘など)、打撲、ねんざ、肩こりに伴う肩の痛み |
医療用フェルビナクスチック3%と市販薬の違いは?
フェイタスチックEXなどの市販薬は、処方される医療用フェルビナクスチック3%と比べると使用に制限がされています。
市販のフェイタスチックEXは、妊婦又は妊娠している可能性のある人、15歳未満の方には使用できません。使用量についても1日2~4回と制限がされています。
どの市販薬についてもいえることですが、市販薬は自己判断で使用できるので処方薬よりも制限が厳しくなっています。
フェルビナクスチック軟膏3%の副作用
フェルビナクスチック軟膏3%は副作用発生頻度が明確となる調査を実施していませんが、以下の副作用が報告されています。
- そう痒
- 皮膚炎
- 発赤
- 接触皮膚炎
- 刺激感
- 水疱
重大な副作用
滅多に現れることはありませんが、特に注意が必要な重大な副作用と、それぞれの主な自覚症状を記載します。
このような症状が現れた場合は、ただちに医療機関を受診するようにしてください。
重大な副作用 | 主な自覚症状 |
---|---|
ショック | めまい、冷や汗、血の気が引く、息切れ、判断力の低下 |
アナフィラキシー | 眼と口唇のまわりのはれ、蕁麻疹、動悸、息切れ、意識の低下 |
上記以外でも気になる症状が出た場合は、医師または薬剤師に相談してください。
フェルビナクスチック軟膏3%の使用上の注意
妊娠中や授乳中の使用
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、使用経験が少なく、安全性は確立されていないので、自己判断で使用してはいけません。
授乳中に関しての注意書きは添付文書に記載されていませんが、医師、薬剤師に相談のうえ使用するようにしてください。
小さな子どもへの使用
フェルビナクスチック軟膏3%は新生児、乳幼児、小児などに対する使用経験が少なく、安全性は確立されていないので、自己判断で使用してはいけません。
フェルビナクスチック軟膏3%を使用できない人【禁忌】
以下に該当する方はフェルビナクスチック軟膏3%を使用できません。
- フェルビナクスチック軟膏3%の成分に対し過敏症を起こしたことのある方
- アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)を起こしたことのある方
最後に
今回紹介させていただいたフェルビナクスチック軟膏3%などの消炎鎮痛剤による治療は、あくまで対症療法です。
※対症療法…病気の原因に対してではなく、症状を出なくしたり軽減するための治療
市販薬を購入する場合、しばらくしても痛みや腫れが引かない場合は一度、医療機関を受診するようにしてください。
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参考資料