AGA（男性型脱毛症）治療薬として広く知られているプロペシア（フィナステリド）ですが、服用を続けることで胸の張りや痛みといった女性化と呼ばれる副作用が現れる可能性があります。
この乳房肥大の副作用は非常に稀な副作用なので過度な心配は不要です。
本記事では、プロペシアの副作用の一つである女性化（乳房の張り、痛み）について、その症状や原因、そして対処法について詳しく解説していきます。
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プロペシアの有効成分フィナステリドとは
まずは、AGA治療薬であるプロペシアの有効成分「フィナステリド」について簡単に説明します。
フィナステリドの作用について
フィナステリドは、男性ホルモンの一種であるテストステロンがジヒドロテストステロン（DHT）に変換される際に働く酵素である5α-還元酵素を阻害することによって作用します。
DHTは強力な男性ホルモンであり、男性の発毛、精子形成、前立腺の成長などに関わっています。
フィナステリドは、AGA発症の原因となる頭皮におけるDHTの影響を軽減することで、抜け毛を減少させ薄毛の進行を抑えます。
フィナステリドの副作用について
フィナステリドの副作用として報告されているのは、主に性欲減退（1.1%）や勃起機能不全（0.7%）、射精障害（1%未満）、精液量減少（1%未満）といった男性機能の低下です。
その他、国内臨床試験では発現が認められなかった頻度不明な副作用として、かゆみや蕁麻疹、発疹、肝機能障害といった副作用も添付文書に記載があります。
また、かなり稀な副作用ですが、胸の張りや、痛みなどの、いわゆる女性化と呼ばれる副作用についても添付文書に明記されています。
フィナステリド服用による男性の女性化について
ここでは、フィナステリドによる男性の女性化とはどのようなものなのか詳しくみていきます。
乳房の張りや痛みなどの症状が現れる可能性がある
フィナステリドによって、男性ホルモンであるジヒドロテストステロンの生成を抑制されるとホルモンバランスが崩れて、エストロゲン（女性ホルモン）の働きが活発になります。
その結果、エストロゲンの働きにより、男性の乳房が女性的に発達し、乳房の張りやしこり、触れると痛いなどの女性化と呼ばれる症状が現れる可能性があります。
女性化の副作用はすぐには現れない
フィナステリドによる女性化の副作用は、すぐに現れるわけではありません。
通常は数年単位の長期間にわたってフィナステリドを使用した場合に、胸が大きくなる、乳房の痛みなど女性化と呼ばれる症状が現れることがあります。
フィナステリド服用によって女性化が起こる確率は0.1%程度
フィナステリドを主成分とするプロペシアの服用によって女性化の副作用が起こる確率は0.11%と報告されています。
また、国内での報告はなく、海外での報告例があるのみなので、プロペシア（フィナステリド）服用による女性化の副作用は極めて稀なものだといえます。
ザガーロ（デュタステリド）でも女性化のリスクはある
ザガーロとはデュタステリドを有効成分とするAGA治療薬です。
デュタステリドは、フィナステリド同様に男性ホルモンであるテストステロンがDHT（ジヒドロテストステロン）に変換されるのを防ぐ作用があります。
副作用としては、主に性欲減退や勃起機能不全などといった男性機能に関わる症状があげられます。
また、1%未満の発現率ではありますが、ザガーロにもおいても、女性化（女性化乳房、乳頭痛、乳房痛、乳房不快感）の副作用も報告されています。
個人輸入による海外医薬品の使用は副作用のリスク大
海外通販で購入できる「フィナステリド」を含む医薬品には注意が必要です。
例えば、プロスカーという海外医薬品は前立腺肥大症の治療薬でフィナステリド含有量は5mgと、プロペシアの5倍の量のフィナステリドが含まれています。
成分量が多いほうがよく効くと思われかもしれませんが、決められた量以上の量を摂取しても効果が倍増することはありません。
それどころか副作用が現れやすくなり、男性の女性化（胸の張りや痛みなど）を引き起こす可能性も高くなります。
フィナステリドによる女性化を防ぐためには？
AGA治療薬による女性化乳房などの副作用のリスクを減らす、もしくは、もしも起きてしまった際の具体的な対処法をご紹介します。
フィナステリドの量を減らす
フィナステリドの服用量が多いほど、女性化などの副作用のリスクは高まります。
国内で承認されているプロペシア（フィナステリド）には、フィナステリド含有量の異なる0.2mgと1mgの規格があります。
1mgのプロペシア（フィナステリド）を服用中であれば、お薬の減量を検討してもよいかもしれません。
ただし、プロペシア（フィナステリド）の錠剤を割って服用することは推奨されておりません。
減量する際は必ず医師と相談した上で、新たに処方を受けるようにしてください。
自己判断で海外医薬品を使用しない
なかにはフィナステリドを海外から個人輸入して使用している方もいるかもしれません。
個人輸入した海外医薬品には偽薬が紛れていたり、成分が過剰に含まれている可能性があります。
女性化といった副作用だけでなく、思わぬ健康被害を引き起こすかもしれません。
正しい用法用量を守らなければ薬の効果は発揮できません。フィナステリドを使用する場合には、必ず医師の診察のもと処方を受けるようにしてください。
フィナステリドの服用をやめる
フィナステリドによる女性化（乳房の肥大や痛み）の副作用が現れた場合には、服用をやめることで症状が改善することがほとんどです。
ただし、フィナステリドの服用をやめたら薄毛の改善効果もなくなります。
薄毛治療には投薬治療以外にも注入療法などの治療法があるので、主治医と相談して治療方針を再検討するようにしてください。
安心してAGA治療を続けるには医師の診察を受けることが大切です
AGA（男性型脱毛症）治療を安心して続けるには医師の診察の受けることが大切です。
治療開始前に医師の診察を受けることで、薄毛の状態から最適な治療法の提案を受けることができます
また、治療中も定期的な検査を受けることができるので、治療の効果や副作用などを確認することもできます。
AGA治療はオンライン診療を利用することが可能です。
「通院する時間がとれない」「個人輸入を利用していたが診察に切り替えたい」という方は、気軽に診察が受けられるオンライン診療で一度相談することをおすすめします。
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参考サイト
プロペシア錠0.2mg／プロペシア錠1mg (pmda.go.jp)
ザガーロカプセル0.1mg／ザガーロカプセル0.5mg (pmda.go.jp)
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