多汗症に悩む方にとって、日常生活での過剰な発汗は大きなストレスとなります。
そのような悩みを解消するために、「エクロックゲル」という薬が注目されています。
この記事では、エクロックゲルの効果や副作用、市販状況などについて詳しく解説し、オンライン診療で処方を行うクリニックも紹介します。
また、オンライン診療で処方を受ける場合は、いくらで購入できるかなど紹介しているのでぜひ参考にしてください。
エクロックゲルってどんな薬?
エクロックゲルとは
エクロックゲルは、2020年9月に日本で初めて原発性腋窩多汗症(わき汗)用の塗り薬として、健康保険適用が認められた医薬品です。
2022年には、ふき取りタイプの薬剤としてラピフォートワイプが発売されており、利用者の利便性に応じた選択肢が増えています。
エクロックゲルの有効成分「ソフピロニウム臭化物」には抗コリン作用があり、交感神経からの発汗指令がエクリン汗腺※に到達するのを防ぐことで発汗を抑えます。
エクリン汗腺とは、皮膚内に存在する汗を生成する器官で、主に体温調節のために水分を多く含む汗を分泌します。
多汗症の症状として見られる大量の汗は、主にこのエクリン汗腺から分泌されます。
エクロックゲルの効果・効能について
エクロックゲルは、原発性腋窩多汗症治療薬で脇汗の抑制に優れた効果を発揮する薬剤です。
その効果は、多汗症による過剰な発汗を抑制し、患者の日常生活の質を向上させることが挙げられます。
特に仕事中や社交の場での不快感を軽減し、衣服の汚れやにおいを防ぐことができます。
臨床試験では、単剤使用で80%の人が発汗の抑制を実感し、60%の人が日常生活に支障がない程度に改善されたと報告されています。
また、効果が現れるまでの期間は約2週間と比較的早く、多くの患者がその効果を早期に実感しています。
エクロックゲルの副作用について
エクロックゲルの主な副作用としては、皮膚の乾燥やかゆみ、発疹など、使用部位の症状があります。
また、かなり稀な副作用として、口の乾きや尿がでにくい、光をまぶしく感じるなどの症状も報告されています。
エクロックゲルを使用する際に、なにか異常が見られた場合にはすぐに使用を中止し、医師に相談してください。
エクロックゲルの使い方
エクロックゲルは、1日1回を毎日両わき全体に外用します。
実際の使用方法は「アプリケーター付きボトル」と「ツイストボトル」で異なりますが、どちらの容器でも、まず、使用する部位を清潔にし、乾燥させます。
その後、1回量を薄く均一に塗り広げて、塗った後は、わきが乾くまでは寝具や⾐服が触れないようにします。
塗るタイミングについて特に決まりはありませんが、毎晩就寝前など決まったタイミングで塗布すると効果的です。
アプリケーター付きボトルの使い方
ボトルからキャップとアプリケーターを外して使用します。
ポンプを押して、薬液をアプリケーターに吐出させ、わき全体に塗り広げます。
ポンプ1押し分が、片わき1回分の使用量になります。
薬液をわき全体に塗り広げます。
ツイストボトルの使い方
キャップを左に回してボトルから取り外します。
頭部を右(時計回り)に止まるまでゆっくり回します。このとき、頭部が上がります。
次に、頭部を左(反時計回り)に止まるまでゆっくり回し、もとに戻します。このとき頭部が下がり、片わき1回分の薬液が出ます。
薬液をわき全体に塗り広げます。
エクロックゲル使用上の注意
エクロックゲルは直接手に取って塗ってはいけません。また、目に入らないようにしてください。
もし薬が手についてしまったら、絶対に目を触らず、すぐに水で洗い流してください。万が一目に入った場合は、ただちに水で洗い流してください。
また、エクロックゲルは可燃性成分を含んでいるため、使用時や保管時には火気を避けてください。
エクロックゲルは市販や通販で購入できる?
エクロックゲルは市販や国内通販では購入できない
エクロックゲルは、現時点では市販されていません。また、国内の通販サイトでも購入することはできません。
この薬は、医師の処方が必要なため、処方箋なしでの購入はできず、クリニックでの診察が必須です。
市販薬として購入することはできず、医療機関でのみ取り扱われています。
エクロックゲルに類似の成分の市販薬も販売されていない
エクロックゲルの主成分であるソフピロニウム臭化物を含む市販薬は、現在日本国内では販売されていません。
したがって、エクロックゲルと同等の効果を期待できる市販薬を探すことは難しいです。
多汗症の治療には、医師の診察を受けて適切な薬を処方してもらうことが最も効果的です。
個人輸入を利用した海外通販は危険
エクロックゲルを個人輸入で海外から取り寄せることも可能ですが、これにはいくつかのリスクが伴います。
偽造品や品質が保証されない製品が含まれている可能性があり、安全性が確保されていないため、推奨されません。
医師の診察を受けて正規のルートで処方を受けることが最も安全です。
個人輸入による購入は、健康被害のリスクがあるため避けるべきです。
エクロックゲルの取り扱いがあるオンライン診療クリニックを紹介
エクロックゲルの取り扱いがあるオンライン診療対応のクリニックをご紹介します。
オンライン診療は、時間や場所に制約されずにスマホ一台で診察を受けられるので、通院が難しい方でも気軽に診察が受けられます。
デジタルクリニック|チャットで無料相談が可能
出典:デジタルクリニック
脇汗プラン料金 (内服薬+エクロックゲル) |
1ヶ月ごと定期:13,000円/月 3ヶ月ごと定期:37,050円(12,350円/月) 6ヶ月ごと定期:70,200円(11,700円/月) 12ヶ月ごと定期:132,600円(11,050円/月) |
診療時間 | 24時間365日診察可能 |
診察料(初診料・再診料) | 初診料:1,650円 再診料:無料 |
薬の配送料 | 550円/回 |
こんな人におすすめ | スムーズに診察を受けたい人 気軽に相談したい人 |
詳細 | 公式サイト |
※公的医療保険が適用されない自由診療
※料金はすべて税込価格
内服薬とのセット処方でエクロックゲルの処方が受けられる
デジタルクリニックの多汗症治療では、エクロックゲルと同じ抗コリン作用のある内服薬とのセットでエクロックゲルの処方が受けられます。
同様の作用機序を持つ内服薬と併用することでより高い効果が期待できます。
デジタルクリニックは当日予約可能【24時間365日診察対応】
デジタルクリニックは、いつでも、どこでも、スキマ時間を活用してオンライン診療の予約が可能です。
24時間365日、オンラインから簡単に予約ができるのため、仕事終わりの時間や近くの病院が休みの日でも自分に合った予約日時を選んで、手軽に予約できます。
また、診察前・診察後もチャットで24時間365日チャットで相談することも可能です。
エクロックゲルについてよくある質問
エクロックゲルで症状は完治しますか?
エクロックゲルは多汗症の症状を効果的に抑えることができますが、完治を保証するものではありません。
使用をやめると再び症状が現れ始めるので、症状を抑え続けるには継続的な使用が必要となります。
エクロックゲルはいつまで使えばいいですか?
エクロックゲルの使用期間は個人の症状や反応によりますが、一般的には6週間を効果判定の目安としてください。
使用開始から6週間経っても効果が感じられない場合は、医師に相談して別の治療法を検討することをお勧めします。
長期間の使用については、定期的に診察を受け、医師の指導のもと適切な使用期間を設定することが重要です。
エクロックゲルと制汗剤の併用はできますか?
エクロックゲルと制汗剤の併用は可能ですが、塗布する順番やタイミングに注意が必要です。
エクロックゲルを先に塗布し、その後に制汗剤を使用することで、効果的に発汗を抑えることができます。
また、制汗剤はエクロックゲルの効果を妨げないように使用することが重要です。
脇以外にも使用できる?
エクロックゲルは、わき汗にのみ適用がある医薬品です。
作用の仕方から考えると脇以外の部位でも汗を抑える作用があると考えられますが、背中や足汗、手汗には使用することは認められていません。
特に、顔汗に使用してしまうと目に薬液が入ってしまう可能性があるので危険です。
ワキガにも効果がありますか?
エクロックゲルは主に多汗症の治療に使用されますが、ワキガ(腋臭症)にも一定の効果があるとされています。
ただし、ワキガの原因は発汗以外にもあるため、専門医の診察を受けることが推奨されます。
エクロックゲルは1本で何日分ありますか?
エクロックゲルは、1日に1回両わきに使用する場合、20g入りボトルで14日分、40g入りボトルで28日分使用できます。
エクロックゲルと塩化アルミニウムの併用はできますか?
効果が弱い場合は、エクロックゲルと塩化アルミニウム製剤との併用も検討されることがあります。
塩化アルミニウム製剤は夜しか使用することができないので、併用する場合は、朝にエクロックゲル、夜にアルミニウム製剤という併用方法になります。
エクロックゲルは何歳から使用できますか?小児への使用は?
エクロックゲルは、12歳以上から使用することができます。
12歳未満の小児を対象とした国内臨床試験は実施していないため安全性が確立されていません。
エクロックゲルは妊娠中に使用できますか?
妊婦を対象とした臨床試験は実施していないため、安全性は確立されていません。
妊婦又は妊娠している可能性のある女性の場合は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用することとなっています。
動物実験(ラット:皮下投与)において、胎盤通過性が報告されています。
まとめ
エクロックゲルは、原発性腋窩多汗症の治療薬として2020年9月に日本で初めて健康保険適用が認められた薬です。
わき汗を効果的に抑え、日常生活の質を向上させることができます。
市販や国内通販では購入できず、医師の処方が必要です。オンライン診療を利用することで、クリニックに行かずに処方を受けることができます。
多汗症の治療には、医師と相談しながら適切な薬を使用し、効果を見極めることが重要です。
6週間経っても効果が見られない場合は、他の治療法を検討することをお勧めします。
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