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【ロゼレム(ラメルテオン)の強さ】効果時間やその他睡眠薬との比較

ロゼレムは、ラメルテオンが主成分として配合された睡眠薬です。

正式には、「ロゼレム錠8mg」という名前で処方されています。

メラトニン受容体作動薬と呼ばれる薬の仲間で、マイルドに睡眠を促す薬です。

今回は、ロゼレムの強さや効果時間、他の睡眠薬との違いについて詳しく解説します。

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ロゼレム(ラメルテオン)の強さについて

ロゼレムは、他の睡眠薬と比べると比較的新しい薬です。

脳の機能を低下させて睡眠を促す薬とは異なり、体内時計を整えることで眠りやすい環境を作ります。

ロゼレム(ラメルテオン)が効果を発揮するメカニズム

ロゼレムは、メラトニン受容体を刺激して自然な睡眠を促す薬です。

メラトニンは松果体から分泌されるホルモンのことで、体をリラックス状態にする働きがあります。

私たち人間が夜になると眠くなるのは、このメラトニンが関係しているのです。

メラトニンの濃度は、昼になると低くなり夜になると高くなります。

しかし、夜間に強い照明を浴びたりパソコンやスマートフォンを見たりすると、メラトニンが十分に分泌されません。

結果、眠気が来なくなり睡眠の質が悪くなってしまいます。

ロゼレムは、メラトニンの代わりにメラトニン受容体を刺激する働きがあるため、睡眠リズムを整えることができるのです。

ロゼレム(ラメルテオン)の強さは非常にマイルド

ロゼレムは、強引に睡眠を誘発する薬ではありません。

ベンゾジアゼピン系(ハルシオン、レンドルミン、リスミーなど)や非ベンゾジアゼピン系(マイスリー、アモバン、ルネスタなど)の睡眠薬のように脳の働きを低下させることがなく、自然に眠気を強くしていきます。

睡眠と覚醒のリズムを整えて睡眠を促すため、強引さがありません。

その代わり、即効性もないため注意が必要です。

服用を始めたその日から効果を実感できることは少なく、2~4週間ほど服用を続けることで効果が認められるようになります。

ロゼレム(ラメルテオン)はどのくらいで効く?効果時間について

「ロゼレムの効果が出るまでどのくらいかかるの?」「服用するとどれくらい効果が持続するの?」と気になっている方が多いのではないでしょうか。

即効性がある薬ではありませんが、服用すると代謝を受けてメラトニン受容体を刺激し、徐々に効果を発揮します。

服用後2~4週間で効果があらわれ始める

ロゼレムは睡眠リズムを整えていく薬のため、服用してもすぐには効果を実感できません。

「眠れるようになった」と実感するためには、約2~4週間かかることが多いでしょう。

効くまでの時間が長いことから、人によっては「効き目が弱い」と感じてしまうことがあるかもしれません。

しばらく服用を続けて効果の程度を観察していく必要があります。

即効性がないため、入眠障害の改善には向きません。入眠障害とは、寝付きが悪くなかなか眠れないことです。

一方で、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害に対しては効果が期待できます。

睡眠の途中で目が覚めてしまう方、予定よりも早く起きてしまい再入眠できない方、睡眠時間は取れているのに熟睡感が得られない方に向いている薬です。

効果のピークは約1時間後

血液中にあるロゼレムの濃度がピークに達するまでの時間(最高血中濃度到達時間)は、約0.75時間です。

血中濃度がもっとも高くなってから薬の濃度が半分になるまでの時間(半減期)は約0.94時間のため、ロゼレムは非常に作用時間が短い薬と言えます。

ただし、ロゼレムは代謝されてできた物質にも効果があることが特徴です。

ロゼレムは代謝を受けると、M-Ⅰ、M-Ⅱ、M‐Ⅳの3つに代謝されます。

このうちM‐Ⅱは半減期が約1.94時間と長く、血中濃度もロゼレムの主成分であるラメルテオンより高いことから、全体で見ると効果のピークは約1時間後になると考えられるでしょう。

効果の持続時間は約6時間

ロゼレムは体内に入ると約6時間で血液中から成分がほぼなくなります。

ロゼレムの主成分であるラメルテオンをネコに投与した研究でも、作用の持続時間は投与後6時間後までという結果が出ています。

睡眠薬全体で見ても、極端に持続時間が長い薬ではありません。

しかし、副作用として眠気が報告されています。

ロゼレムが承認された時点では、服用した方の3.4%で眠気の副作用が確認されました。

眠気が気になる場合は、服用時間を早めたり他の睡眠薬に切り替えたりなどの対処が有効です。

ロゼレム(ラメルテオン)と他の睡眠薬との比較

不眠症に使われる睡眠薬には、ロゼレム(ラメルテオン)以外にも多くの種類があります。

どのような不眠の症状があるのかによって適切な薬を選択することが大切です。

作用時間と強さの比較

睡眠薬として主に使われているベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系の薬と比べて、作用時間や強さにどのような違いがあるのかを見ていきましょう。

一般的に、効果の強さはベンゾジアゼピン系>非ベンゾジアゼピン系>メラトニン受容体作動薬と言われています。

  作用時間 代表的な薬 効果のピーク 持続時間
ベンゾジアゼピン系 超短時間型 ハルシオン 約1時間未満 約2~4時間
短時間型 デパス、レンドルミン 約1~3時間 約6~10時間
中間型 ロヒプノール、ベンザリン 約1~3時間 約20~24時間
長時間型 ドラール、ダルメート 約3~5時間 約24時間
非ベンゾジアゼピン系 超短時間作用型 マイスリー、アモバン、ルネスタ 約1時間未満 約2~4時間
メラトニン受容体作動薬
ロゼレム、メラトベル 約1時間 約6時間

ロゼレム(ラメルテオン)の類似薬

ロゼレムと同じメラトニン受容体作動薬には、他にメラトベルという薬があります。

こちらもメラトニン受容体を刺激することで睡眠を促すものです。

しかし、ロゼレムと比べるとあまり普及していません。

なぜなら、メラトベルは小児期の神経発達症に伴う入眠困難の改善への使用しか承認を取得していないからです。

つまり、一般的にメラトベルを大人が使うことはできません。そのため、成人の不眠症状にはロゼレムが用いられます。

ロゼレムとベルソムラとの違い

ベルソムラは、オレキシン受容体拮抗薬と呼ばれる睡眠薬です。

ロゼレムは睡眠リズムを整えるのに必要なメラトニンと同じ働きをして睡眠をサポートします。

一方でオレキシンは、覚醒を維持するために必要なオレキシンの働きを弱めて睡眠を促す薬です。

ロゼレムと同じく、主に中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害に用いられます。

効果発現時間が短く即効性があり、服用して30分ほどで眠気が自然と強まっていくことが特徴です。

ロゼレムとベルソムラどっちが良い?

一概にどっちが良いと言うことはできません。

即効性を期待する方はベルソムラのほうが使いやすいでしょう。

ベルソムラだけで効果が不十分な場合は、ロゼレムを併用することもあります。

まとめ

ロゼレム(ラメルテオン)は、不眠症の治療に一般に用いられているベンゾジアゼピン系や非ベンゾジアゼピン系と比べると、強さはそこまでありません。

ロゼレム(ラメルテオン)は、睡眠リズムを整えることで自然な眠りをサポートします。

眠っても途中で起きてしまう方、予定よりも早く目が覚めてしまう方、睡眠時間は確保しているのに熟睡感が得られない方に向いている薬です。

即効性がないため「いつから効果が実感できるの?」と不安になる方がいるかもしれません。

効果が出るまでには2~4週間ほどかかるため、しばらく服用を続けてみることが大切です。

 

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参考資料

不眠症 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

メラトニン受容体作動薬ラメルテオン(ロゼレム®錠 8 mg)の薬理作用と臨床試験成績

ロゼレム錠8mg丨添付文書

メラトベル丨添付文書

ベルソムラ錠10mg/ベルソムラ錠15mg/ベルソムラ錠20mg丨添付文書

この記事を書いた人
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薬剤師 森 佑貴

ユウキ薬局代表。保険薬局で薬剤師として5年間勤務した後、零売専門薬局「ユウキ薬局」を開業。現場で薬剤師として勤務する傍ら、「一般の方向け」に「わかりやすく」お薬の情報を届けられるように記事を執筆しています。

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