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【ミヤリサン】酪酸菌の効果や副作用 | 痩せるといわれる理由を薬剤師が解説

今回は市販で購入できる宮入菌(酪酸菌)が配合された整腸剤のミヤリサンについてお話ししていきます。

腸活のために整腸剤を探している方は是非参考にしてください。

※「ミヤリサン」は製造中止になっているので、現在は「強ミヤリサン」が発売されています。

ミヤリサンとは

ミヤリサンとはミヤリサン製薬株式会社が販売している宮入菌(酪酸菌)を有効成分とした指定医薬部外品の整腸剤です。

宮入菌(酪酸菌)は、1933年に千葉医科大学(現 千葉大学医学部)で宮入近治博士によって発見されました。

その後1940年に製品化されて以来、お年寄りから赤ちゃんまで幅広い層に整腸剤として使用されています。

ミヤリサンの有効成分は酪酸菌の一種の宮入菌です。

ミヤリサンと強ミヤリサンの違い

販売中止になったミヤリサンと強ミヤリサンとの違いは含まれる宮入菌(酪酸菌)の量の違いです。

商品名 1錠あたりの宮入菌末
ミヤリサン 10mg
強ミヤリサン 30mg

強ミヤリサンの効果

ミヤリサンは整腸(便通を整える)便秘、軟便、腹部膨満感(お腹の張り)を改善します。

その他にも宮入菌(酪酸菌)の整腸作用により、腸内フローラを整えることは様々なメリットがあります。

おならのニオイを改善

強ミヤリサンなどの整腸剤を服用することで、便やおならのニオイの改善が期待できます。

というのも、オナラが臭くなる原因はウェルシュ菌などの悪玉菌が産生するアンモニアや硫化水素、インドールなどの腐敗物質によるものです。

腸内細菌のバランスが崩れると、このウェルシュ菌などが増殖してしまうので便やオナラのニオイが臭くなります。

なので強ミヤリサンで腸内環境を整えることは、悪玉菌の増殖を抑えて、便やオナラのニオイを改善に繋がります。

腸内環境を整えて免疫力アップ

腸内環境を整えることは免疫力を高めることに繋がります。

というのも腸内には免疫反応に重要な細胞や抗体が豊富に存在していて、免疫細胞の約70%が腸に存在しています。

なので腸内細菌の働きを良くし、免疫細胞の活性化を促すことができれば、免疫力を高めることに繋がります。

酪酸菌について

酪酸菌は腸内で食物繊維を分解して酪酸を産生する細菌の総称です。

酪酸菌は酸素のある環境では生きれない偏性嫌気性菌に分類され、大腸に住みついています。

病院で処方される「ミヤBM」も強ミヤリサンと同じ宮入菌(酪酸菌)を有効成分とする製剤です。

>>>ミヤBMとミヤリサンの違いについて

酪酸菌は短鎖脂肪酸を産生する

酪酸菌は短鎖脂肪酸である酪酸酢酸を産生することで悪玉菌の増殖を抑え、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌の住みやすい環境を作ります。

また、酪酸や酢酸の影響で腸内が弱酸性になることでミネラルの吸収もよくなり、ミネラル不足を補うことができるともいわれています。

酪酸菌は芽胞を形成する

酪酸菌は細胞の周りに芽胞というバリアのようなものを形成するので熱や胃酸で死滅せずに生きたまま腸に届きます。

芽胞を形成することで抗生物質にも耐性があり、併用することも可能です。

酪酸菌は免疫に関わる

酪酸菌が産生する酪酸には、免疫が過剰に反応しないように制御する細胞を誘導する作用が報告されています。

そういったことから免疫反応が過剰になると発症するアトピーや花粉症などのアレルギー症状には酪酸が良い影響を与える可能性があります。

酪酸菌はビオチン療法に欠かせない整腸剤

ビオチン療法においては、酪酸菌の整腸剤をビオチンと併用します。

その理由などについてこちらの記事で詳しく説明しています。

>>>【ビオチン療法のやり方】用量や注意点を薬剤師が解説します

酪酸菌で痩せるといわれる理由

強ミヤリサンにはダイエット効果があるとamazonの口コミなどで見かけたりしますが、それは酪酸菌の働きによるものです。

というのも酪酸菌が産生する短鎖脂肪酸の酪酸や酢酸には、肥満を抑制する作用が報告されています。

食べても太らないという人は、この短鎖脂肪酸を産生する菌が多い傾向があります。

理由その1、酪酸はエネルギー消費を促す

酪酸菌から産生される酪酸は交換神経節に作用することで、エネルギー消費を促します。

理由その2、酢酸は肥満細胞の肥大化を抑える

酪酸菌から産生される酢酸は肥満細胞の肥大化を抑制し、肥満を抑制します。

強ミヤリサンの効果を実感できるまでの期間は?

人によって違いがあるので一概には言えませんが、早い方で服用してすぐに効果が実感できる方もいれば、飲み続けて1週間ほどで効き目が出てくるという方もいます。

1ヶ月ほど服用しても症状の改善ないようであれば、一度病院を受診するようにしましょう。

市販で買える他の整腸剤との比較

市販で購入できる整腸剤としては、ビオフェルミンSやビオスリーHi錠などがあります。

それぞれ整腸剤としての働きに大きな違いはありませんが、含まれる活性菌の種類が整腸剤ごとに異なっています。

>>>ミヤリサンとビオフェルミンの違いや併用について

商品名 酪酸菌 ビフィズス菌 乳酸菌 糖化菌
強ミヤリサン      
新ビオフェルミンS錠    
ビオスリーHi錠  

強ミヤリサンは毎日飲んでも大丈夫?

いくら整腸剤だからといっても飲み続けることに不安を感じる方もいると思います。

結論からお伝えすると、強ミヤリサンは決められた用法用量であれば常用しても問題ありません。

口から摂取した酪酸菌は永遠に生き続けるのでなく、およそ1~2日ほどで排出されるといわれています。

なので整腸剤は一度にたくさん摂るのではなく、毎日習慣的に摂取するようにしましょう。

強ミヤリサンの妊娠・授乳中の服用について

強ミヤリサンは妊娠・授乳中でも安全に服用することができる整腸剤です。

強ミヤリサンの副作用

強ミヤリサンは善玉菌を有効成分とするなので、決められた用法用量をきちんんと守っていれば目立った副作用が出ることはありません。

同じ宮入菌(酪酸菌)製剤の医療用医薬品ミヤBMの添付文書にも以下のように報告されています。

酪酸菌(宮入菌)を有効成分とする製剤(宮入菌製剤)を使用した症例 641 例中、報告された副作用は無かった。

強ミヤリサンはどこで買えるの?

強ミヤリサンは指定医薬部外品に分類されるので薬局、ドラックストアだけでなくスーパーやコンビニ、ネット通販でも購入することが可能です。

しかし、店舗に行っても売っていないということもあるので、事前にお店に在庫を確認するか、インターネット通販での購入がオススメです。

強ミヤリサンアイジ整腸薬

強ミヤリサンアイジ整腸薬はミヤリサン製薬株式会社が販売する粉タイプの整腸剤です。

強ミヤリサンとは違い、宮入菌(酪酸菌)の他にビタミンB2 やビタミンB6 が配合されている第三類医薬品です。

生後3ヶ月から大人まで服用できるので、錠剤が飲めない方は、強ミヤリサンアイジ整腸薬の粉タイプをを試してみるのもいいかもしれません。

まとめ

  • 強ミヤリサンは宮入菌(酪酸菌)を含有する整腸剤
  • 酪酸菌は芽胞を形成するので生きたまま腸へ届く
  • 整腸作用だけでなく、免疫力の向上やダイエット効果が期待できる
  • 酪酸菌はビオチン療法に併用される整腸剤
  • 強ミヤリサンの長期服用も問題ない
  • 妊娠・授乳中も安心して服用できる
  • 強ミヤリサン購入はネット通販が確実
  • 粉タイプなら強ミヤリサンアイジ整腸薬

 

こちらの記事ではビオスリーについて詳しく解説しています。

>>>ビオスリーの効果と痩せるといわれる理由を薬剤師が解説

 

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参考資料

ミヤリサン製薬株式会社ホームページ (miyarisan.com)

ミヤBM細粒/ミヤBM錠 (pmda.go.jp)

日本薬学会 環境・衛生部会ホームページ (pharm.or.jp)

腸内細菌叢と免疫の関わり (jst.go.jp)

この記事を書いた人
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薬剤師 森 佑貴

ユウキ薬局代表。保険薬局で薬剤師として5年間勤務した後、零売専門薬局「ユウキ薬局」を開業。現場で薬剤師として勤務する傍ら、「一般の方向け」に「わかりやすく」お薬の情報を届けられるように記事を執筆しています。

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