女性の薄毛治療には多くの選択肢がありますが、プロペシア(フィナステリド)は女性には適さないお薬です。
この記事では、なぜ女性がプロペシアを服用できないのか、代替となる治療法について解説します。
プロペシア(フィナステリド)を女性は服用できない
結論からお伝えすると、プロペシア(フィナステリド)を女性は服用できません。
プロペシアの添付文書に記載の効能効果には「男性における男性型脱毛症の進行遅延」と明記されており、女性への適用はありません。
また、日本皮膚科学会が作成した「男性型および女性型脱毛症ガイドライン」においても、女性へのフィナステリド投与の推奨度は最も低い評価(D:行うべきではない)となっています。
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プロペシア(フィナステリド)を女性が服用できない理由
女性がプロペシア(フィナステリド)の服用ができない理由は、主に2つの理由があります。
- 男子胎児に悪影響を及ぼす危険性がある
- 効果が期待できない
理由① 男子胎児に悪影響を及ぼす危険性がある
プロペシア(フィナステリド)は、男性ホルモンであるテストステロンがジヒドロテストステロン(DHT)に変換されるのを阻害する働きがあります。
しかし、この作用によって、男子胎児の外性器の発生に影響を与える可能性があることが報告されています。
そのため、妊娠中の女性がプロペシアを服用することは、男子胎児に悪影響を及ぼず危険性があるため、推奨されません。
また、有効成分のフィナステリドは直接皮膚からも吸収されるので、分割・粉砕した錠剤に触れないように注意する必要があります。
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理由② 効果が期待できない
女性のプロペシア(フィナステリド)服用による薄毛改善効果は期待できません。
女性の薄毛の原因は男性ホルモンの影響が少ないため、プロペシアのような男性ホルモンに関わる薬剤は有効性が低いとされています。
実際に、閉経後の女性にプロペシアを1年間服用した臨床試験でも、プラセボと同様の効果しか見られなかったと報告されています。
以上のことから、プロペシアは女性に効果がないだけでなく、妊娠中の摂取で男子胎児の発育に悪影響を及ぼす可能性があります。
特に妊婦およびその可能性のある女性や授乳中の女性については、禁忌(投与しないこと)とされているので自己判断で服用しないようにしましょう。
女性の薄毛の治療法について
女性の薄毛治療にはミノキシジルや育毛サプリメント、または、脱毛の原因によってはその他の内服薬が使用され場合があります。
薄毛の原因は個人差があるので、まずは専門医に相談し、適切な治療法を選択することが大切です。
ミノキシジル
ミノキシジルは、発毛剤として市販されている成分です。
外用薬として頭皮に塗布することで、毛髪の成長を促進し、薄毛や抜け毛を改善する効果が期待できます。
効果は個人差がありますが、多くの人に効果があるとされています。
パントガール(薄毛用のサプリメント)
パントガール(薄毛用のサプリメント) パントガールは、亜鉛やビタミンなどの栄養素を含む薄毛用のサプリメントです。
毛髪の成長に必要な栄養素を補給し、健康な髪の毛を育成することができます。
注入治療(メソセラピー)
注入治療(メソセラピー)は、髪の成長因子を頭皮に直接注入する治療法です。
この治療により、頭皮環境の改善や毛母細胞の活性化が期待できます。
治療期間は半年〜1年ほどで、1週間に1回から4週間に1回の間隔で行われます。
効果には個人差がありますが、毛髪の量や太さの改善が期待できます。
まずは女性の薄毛治療クリニックで相談しよう
女性の薄毛治療には、ミノキシジルやサプリメント、注入治療など様々な治療法があります。
しかし自己判断での治療は危険です。
まずは女性の薄毛治療クリニックで専門家の意見を聞くことが大切です。
専門の医師が診察を行い適切な治療法を提案してくれるため、安心して治療が受けられます。
まとめ
プロペシア(フィナステリド)を女性が服用することができません。
プロペシアは女性に効果がないだけでなく、妊娠中の摂取で男子胎児の発育に悪影響を及ぼす可能性があります。
女性の薄毛治療には、ミノキシジルや育毛サプリメントなどを使用する場合もあります。
しかし、これらの治療法にも個人差があるため、まずは医師の診察を受けることが大切です。
最近ではFAGAの治療に力を入れているクリニックも多く、遠隔で受診できるオンライン診療を利用することも可能です。
自己判断で治療するのではなく、医師に相談して自分にあった治療法を探しましょう。
参考資料