ジェネリックと先発医薬品の違いについて解説していきます。
- そもそもジェネリックってなんなの?
- ジェネリックは先発医薬品とおなじ効果があるのか?
- ジェネリックが安いのはなぜ?
など、ジェネリックについて正しい知識を身につけていきましょう!
ジェネリック医薬品とは?
ジェネリック(後発医薬品)とは、新薬(先発医薬品)と同じ有効成分の医薬品です。
ジェネリックは、先発医薬品と同様の有効成分、品質、効き目があるのかどうか、国の厳しい試験をクリアし、厚生労働大臣の承認を受けて製造されています。
新薬は、長い時間と莫大な費用をかけて開発されます。
そのため開発した製薬会社には、そのお薬を一定期間独占的に販売できる特許が与えられます。
その後、特許期間が過ぎて他の製薬会社から同じ有効成分を使って作られたお薬が「ジェネリック医薬品」です。
ジェネリック医薬品はなぜ安い?
ジェネリック医薬品は先発医薬品に比べると価格が安いですよね。
薬局でも費用が抑えられるためジェネリックにされますか?と言われた経験があると思います。
理由がわからないと、なんだか怪しく感じますよね。
先程お伝えしたとおり、新薬(先発医薬品)の開発には莫大な費用がかかりますが、ジェネリック医薬品は研究開発の費用が低く抑えられています。
開発費が抑えられるため、ジェネリックのお薬は値段が安くなっているのです。
新薬(先発医薬品)とジェネリックの違い、効果は?
ジェネリック医薬品は新薬(先発医薬品)と同じ有効成分を同量含有しています。
しかしながら、添加物が異なる場合があり、見た目や味、香りなどに違いが出ることがあります。
また、医薬品に使われる添加剤は安全性が確認されているものが使用されています。
添加物自身が体に作用したり、有効成分の作用の邪魔をすることはないので安心してください。
すべての医薬品にジェネリックがあるというわけではない
お薬すべてにジェネリック医薬品があるというわけではありません。
とくに、発売から間もない新薬は、ジェネリック医薬品がありません。
また、ジェネリック医薬品が販売される時期はお薬によって異なるので、いつ販売されるかは医師や薬剤師でも直前まで知ることができません。
ジェネリック医薬品の安全性は?
ジェネリック医薬品は、先発医薬品と同様安全性に問題はありません。
なぜなら、ジェネリック医薬品を製造する場合、厚生労働省の許可を得るために規定の試験をクリアしなければいけないからです。
その試験をクリアしたということは、品質、有効性、安全性が先発医薬品と同等であることが証明されています。
ジェネリック医薬品の検査(試験)内容
①規格試験
原薬、品質の確保のために有効成分の含有量、不純物の程度、溶出の程度を確認する試験です。
②安定性試験
医薬品を長期保存した場合の安定性が先発医薬品と同程度か確認するための試験です。
③生物学的同等性試験
ヒトでの有効性と安全性が先発医薬品と同程度か調べるために、先発医薬品と同じ速さで同じ量の有効成分が体内に吸収されるか確認する試験です。
ジェネリック(後発医薬品)のメリット・デメリット
ジェネリック医薬品について理解していただけたと思うので、さいごにジェネリック医薬品を選ぶメリット・デメリットについてお話していきます。
ジェネリック医薬品のメリット
メリット①:飲みやすくするための工夫がされている
新薬開発から数年から数十年後にジェネリックは開発されています。
なので先発医薬品より、服用しやすいように味の改良や小型化が行われたり、飲み間違いを防ぐ工夫が行われているものも多いです。
メリット②:お薬代の負担が減る
ジェネリックは開発費用が安く済むため、価格が安く実際に薬局窓口で支払うお薬代が安くなります。
そうはいっても、健康保険を利用でのお支払いは0~3割負担になるので、長期間服用が必要な医薬品以外はジェネリックに変更しても値段の差を実感しにくいのが実情です。
しかし、零売薬局(処方箋がなくても病院のお薬が買える薬局)を利用する場合は保険を利用しないサービスになるので、先発医薬品とジェネリック医薬品では目に見えて値段が変わってきます。
零売薬局ってなに?という方はこちらの記事に詳しくかかれています。
メリット③:日本の医療費の削減につながる
日本はご存知のとおり、高齢化が進んでおり国民医療費は年々膨らみ続けています。
医療費の中でも薬剤費は、およそ8兆円といわれておりジェネリック医薬品はその医療費の削減に寄与すると期待されています。
ジェネリック医薬品のデメリット
デメリットは、塗り薬や湿布などの使用感が先発医薬品と異なる場合があることです。
お薬によっては、添加物の違いでジェネリックに変更したことで今まで使っていたと薬と違う使用感になることがあります。
先発医薬品からジェネリックに変更する際は、事前に薬剤師に使用感など相談しましょう。
なぜ保険薬局でジェネリックへの変更を勧められるのか?
保険薬局で薬を出してもらう際、必ずといっていいほどジェネリック医薬品への変更について確認されますよね。
なぜ、そこまでジェネリックを勧めるのでしょうか?
ジェネリックを勧めるのには大きく2つの理由があります。
1、日本の医療費削減につながるから
高齢化により年々医療費が高騰し、保険制度の財政がひっ迫しています。
国としても少しでも医療費を減らすためにジェネリック医薬を勧めています。
2、ジェネリックへの変更率が高いほど薬局の儲けになるから
値段が高い先発医薬品を販売した方が儲かるのでは?と思われるかも知れませんが、実際にはジェネリックを販売する方が儲かる仕組みになっています。
後発医薬品調剤体制加算といって、ジェネリック医薬品を多く出したほうが診療報酬が加算され、保険薬局としての受付料が高くとれるという仕組みです。
このように国としても、保険薬局としてもジェネリック医薬品を普及していきたいところですが、もちろん強制ではではないので、ジェネリックへの変更を拒否することも可能です。
どうしても先発医薬品を希望するとき
基本的にジェネリックへの変更を断れば、先発医薬品でお薬をもらうことは可能です。
病院を受診した際に、ジェネリック医薬品への変更を断るタイミングは病院での診察時と保険薬局で処方箋を渡すときがあります。
- 診察のタイミングで医師に伝える
医師に話すことで処方箋に必ず先発医薬品で調剤するように指示を入れることができます。
- 保険薬局で処方箋を渡すタイミングで事務の人に伝える
お薬をもらうタイミングで先発医薬品を希望すれば変更することは可能です。
零売薬局の利用も選択肢のひとつ
零売薬局とは、処方箋がなくても病院のお薬が買える薬局のことを指します。
零売は分割販売とも呼ばれ、薬剤師とカウンセリング行ったうえで、必要最低限の医療用医薬品を処方箋なしで販売することです。
零売薬局では、あくまで自分で医薬品を選択するので、先発医薬品・ジェネリック医薬品を自分で選択できます。
さらに保険を利用しないサービスですので、零売薬局が普及すれば医療費を削減することに繋がっていくと言われています。
鹿児島の「処方箋なしで病院の薬が買える」ユウキ薬局の特徴
ユウキ薬局は、鹿児島初の零売サービスを行う薬局として鹿児島市泉町に2021年10月にオープンしました。
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参考資料