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【リスミーの強さ】効き目や効くまでの時間を解説

リスミーは、リルマザホン塩酸塩水和物が主成分として配合された短時間型のベンゾジアゼピン系睡眠薬です。

成人の30~40%は何らかの不眠症状を抱えていると言われていることから、睡眠薬は私たちの生活と密接な関係があるものだと言えます。

本記事では、リスミーの強さや効くまでの時間などについて詳しく見ていきましょう。

他の睡眠薬との違いも解説しているので、参考にしてみてください。

リスミーの強さについて

薬の錠剤

まずは、リスミーの強さについて解説します。

リスミーが効果を発揮するメカニズム

ベンゾジアゼピン系睡眠薬は、作用する時間の長さによって超短時間、短時間型、中間型、長時間型の4つに分けられます。リスミーは短時間型に分類される睡眠薬です。

ベンゾジアゼピン系睡眠薬を服用すると、脳の興奮が落ち着くため眠気を催します。

ベンゾジアゼピン系睡眠薬が開発される前に使われていたバルビツール酸系睡眠薬と比べると、安全性や有用性が高いことが特徴です。

リスミーの強さはマイルド

リスミーは睡眠薬のなかでも効果がマイルドなほうです。

急激に眠気が来ることがなく、自然に近い形で穏やかに睡眠をサポートします。

強引に眠気を催すことがないため、使いやすい薬と言えるでしょう。

ただし、リスミーはキレがあまりよくありません。

リスミーを服用すると、代謝によって4つの活性体が作られます。

活性体の種類によって薬が効く時間が短いものから長いものまであるため、キレが悪くなってしまうのです。

リスミーが効くまでの時間について

女性、寝起き、睡眠

「リスミーが効くまでの時間が知りたい」という方もいるでしょう。

リスミーは、比較的早く効果が出る薬です。

短時間型のベンゾジアゼピン系睡眠薬のなかでは、持続時間も長い方となっています。

服用後15~30分で効果があらわれ始める

リスミーを服用してから眠気があらわれるまでには、約15~30分かかります。

急激に眠気が来る薬ではありませんが、必ず就寝の直前に服用するようにしてください。

疲れて眠くなるときと同じように、服用すると穏やかに効果を発揮します。

ただし、効果がピークに達するまでにはもう少し時間がかかるため、人によっては物足りなさを感じることがあるかもしれません。

効果のピークは約3時間後

効果がピークに達するまでに必要な時間は、約3時間です。

これは、血液中にあるリスミーの成分の濃度が最大になるまでに約3時間かかることを意味しています。

睡眠薬によっては服用後約1時間でピークに達するものもあることから、リスミーはゆっくり効果を発揮する薬と言えるでしょう。

なお、ピークに達する時間が約3時間というだけで、3時間経たないと効果が出ないわけではありません。

効果の持続時間は約6~10時間

短時間型のベンゾジアゼピン系睡眠薬の一般的な持続時間は、約6~10時間だと言われています。

なお、血液中にあるリスミーの成分が半分になるまでの時間は、約8~13時間です。

他の睡眠薬と比べると、長めに効果を発揮する薬だと言えます。

効果の立ち上がりはゆっくりですが、比較的長く効くため入眠障害の他、中途覚醒や早朝覚醒など幅広い症状に対して用いられます。

リスミーと他の睡眠薬との比較

調べる

睡眠薬は、リスミーのほかにもさまざまなものがあります。

他の睡眠薬と比べて強さにどう違いがあるのか、似ている薬があるのかなどについても見ていきましょう。

作用時間と強さの比較

ベンゾジアゼピン系睡眠薬には、超短時間型、短時間型、中間型、長時間型の4種類があります。

それぞれの効果の持続時間は次の通りです。

  • 超短時間型:2~4時間
  • 短時間型:6~10時間
  • 中間型:20~24時間
  • 長時間型:24時間以上

種類別にそれぞれの薬の強さを比較してみると、次のようになります。

超短時間型 ハルシオン>アモバン>マイスリー≧ルネスタ
短時間型 レンドルミン≧デパス≒エバミール、ロラメット>リスミー
中間型 サイレース>ロヒプノール>ベンザリン、ネルボン>ユーロジン
長時間型 ドラール>ベノジール、ダルメート≒ソメリン

リスミーと似ている睡眠薬

リスミーと似ている睡眠薬としては、次のものが挙げられます。

  • レンドルミン
  • デパス
  • エバミール
  • サイレース

これらはすべて短時間型のベンゾジアゼピン系睡眠薬です。

このなかで比べると、リスミーの強さはもっともマイルドとなっています。

逆に、もっとも効果が強いのはレンドルミンです。

レンドルミンはブロチゾラムが主成分として配合されており、約1.5時間で血液中の薬の濃度がピークに達します。

リスミーのメリット・デメリット

リスミーには、メリットとデメリットの両方があります。それぞれについて見ていきましょう。

リスミーのメリット

リスミーのメリットとしては、次のものが挙げられます。

  • 入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒と幅広く有効
  • 自然に近い形で睡眠を促せる
  • 処方制限がない

不眠症の症状には、寝付きが悪い入眠障害、睡眠途中で目が覚めてしまう中途覚醒、予定よりも早く目が覚める早朝覚醒、しっかり寝ても熟睡感が得られない熟眠障害があります。

リスミーは、このうち入眠障害と中途覚醒、早朝覚醒に有効です。

服用すると、短時間で強引に眠気を催すことがなく自然に近い形で眠れるようになります。

また、リスミーには処方制限がありません。

多くの睡眠薬は処方制限があるため一度に30日分までしか処方してもらえませんが、リスミーにはそういった制限がないのです。

リスミーのデメリット

リスミーのデメリットには、次のようなものがあります。

  • 効果がマイルドなので物足りないことがある
  • 依存性に注意する必要がある
  • 高齢者ではせん妄を生じることがある

リスミーはマイルドな薬のため、人によっては「もう少し強い薬が欲しい」と感じることがあるかもしれません。

軽度ではありますが、依存性にも注意が必要です。長期間にわたって漫然と使用しないようにしましょう。

高齢者ではせん妄を生じるリスクもあります。

せん妄とは、場所や日時がわからなくなったり認知障害などの症状が出たりするものです。

リスミーのようなベンゾジアゼピン系睡眠薬にはせん妄のリスクがあるため、高齢者が服用する場合は気をつける必要があります。

まとめ

リスミーの強さは比較的マイルドです。

穏やかに効果を発揮し、自然に眠りへとつくような効き方をします。

効くまでの時間はおよそ15~30分です。服用してから約3時間で薬の効果がピークに達します。

効果がマイルドなことから副作用も出にくいのですが、依存性やせん妄などには注意して使用しましょう。

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参考資料

不眠症 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

リスミー|インタビューフォーム

レンドルミン錠0.25mg|添付文書

この記事を書いた人
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薬剤師 森 佑貴

ユウキ薬局代表。保険薬局で薬剤師として5年間勤務した後、零売専門薬局「ユウキ薬局」を開業。現場で薬剤師として勤務する傍ら、「一般の方向け」に「わかりやすく」お薬の情報を届けられるように記事を執筆しています。