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ミヤBMと市販薬ミヤリサンの違いを徹底解説

今回は、病院で処方される「ミヤBM」と市販で購入できる「ミヤリサン」の違いについてお話ししていきます。

ミヤBMとミヤリサンはどちらも宮入菌(酪酸菌)が配合された整腸剤です。

1錠あたりの宮入菌末の量の差が、ミヤBMとミヤリサンの大きな違いになります。

では、その成分量にどの程度違いがあるのでしょうか?その他の違いも合わせて詳しく解説していきます。

※ミヤリサンは製造中止になっているので、この記事ではミヤBMと強ミヤリサンを比較します。

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そもそも宮入菌(酪酸菌)って何?

宮入菌(酪酸菌)は、1933年に発見された腸内細菌です。

便秘、下痢、おならの改善作用があり、抗生剤にも耐性があります。

宮入菌(酪酸菌)は、有害な腸内細菌を働きを抑え、ビタミン類や消化酵素などを産生することで、腸内環境を整えます。

また、宮入菌(酪酸菌)はビオチン療法において使用される整腸剤でもあります。

ビオチン療法についてはこちらの記事で詳しく説明しています

>>>【ビオチン療法のやり方】用量や注意点を薬剤師が解説します

ミヤリサンと強ミヤリサンの違いについて

ミヤBMと強ミヤリサンの比較をする前に、ミヤリサンと強ミヤリサンの違いを紹介します。

ミヤリサンがなぜ製造中止になったのか理由はわかりませんが、現在、強ミヤリサンのみが販売されています。

ミヤリサンと強ミヤリサンの違いは、1錠あたりの宮入菌末の量です。

それぞれの宮入菌末の含有量は以下の通りです。

商品名 1錠あたりの宮入菌末
ミヤリサン 10mg
強ミヤリサン 30mg

ミヤBMと強ミヤリサンの比較

ミヤBM

ミヤBMと強ミヤリサンはどちらもミヤリサン製薬株式会社から販売されている整腸剤です。

以下の表はミヤBMと強ミヤリサンの違いについて比較したものです。

名称 ミヤBM 強ミヤリサン
販売元 ミヤリサン製薬 ミヤリサン製薬
分類 医療用医薬品 指定医薬部外品
1錠あたりの宮入菌末量* 20mg
菌数:10⁷個以上/1錠
30mg
菌数:10⁶個以上/9錠
添加物 乳糖水和物、沈降炭酸カルシウム、白糖、トウモロコシデンプン、タルク 乳糖水和物、トウモロコシデンプン、タルク、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、白桃
効能効果 腸内菌叢の異常による諸症状の改善 整腸(便通を整える)、軟便、便秘、腹部膨満感
粉タイプの有無 ミヤBM細粒
市販 零売薬局で購入可能 インターネットでも購入可能

*ミヤBM錠と強ミヤリサン錠は、製造工程や菌の加工方法が異なるため、菌末の重量だけでは成分の濃さや効果を比較することはできません。菌数で比較すると、ミヤBM錠1錠(20mg、菌数10⁷個以上)、強ミヤリサン錠9錠(270mg、菌数10⁶個以上)

医薬品と医薬部外品の違いについて

ミヤBMは病院で処方される医療用医薬品、ミヤリサンは指定医薬部外品に分類されます。

医薬品とは?

医薬品とは「治療」を目的としたものであり、厚生労働省により有効成分の効果が認められたものです。

医薬部外品とは?

医薬部外品とは「人体に対する作用が緩和なもの」と定義され、効能効果は緩和な作用に限られています。

疾病の治療というよりも、「防止・衛生」を目的に開発されたものです。

医薬部外品のうち比較的安全性が高いと判断され、医薬品だったものから移行したものは指定医薬部外品と呼ばれています。

強ミヤリサンはこの指定医薬部外品にあたります。

ミヤBMと強ミヤリサンの飲み方の違いについて

ミヤBM錠は1錠あたり20mg、宮入菌末を含有しているのに対して、強ミヤリサンは1錠あたり30mg宮入菌末を含有しています。※菌数はミヤBM錠のほうが多い。

1錠あたりの宮入菌末の量は違いますが、飲み方についてはどちらも1日3回に分けて服用します。

ミヤBM錠の飲み方

通常、成人は1日3~6錠を3回に分けて服用します。なお、年齢、症状により適宜増減します。

強ミヤリサンの飲み方

強ミヤリサンは年齢によって用法用量が異なります。

年齢 1回量 1日服用回数
15歳以上 3錠 3回
11歳以上~15歳未満 2錠 3回
5歳以上~11歳未満 1錠 3回
5歳未満 服用できません

ミヤBMと強ミヤリサンの添加物の違い

錠剤医薬品

ミヤBMには添加物の一つとして沈降炭酸カルシウムが含まれています。

一方、強ミヤリサンには沈降炭酸カルシウムは含まれていません。

その代わり、結晶セルロース(賦形剤)とステアリン酸マグネシウム(滑沢剤)が添加物として含まれています。

添加物に若干の違いはありますが、そのせいで有効成分の治療効果を妨げるということはありません。

ミヤBM、ミヤリサンそれぞれに粉タイプの製剤はあるの?

ミヤBM錠には、剤形違いでミヤBM細粒があります。

一方、強ミヤリサンに剤形違いの粉タイプはありませんが、似たようなものだと「新ミヤリサンアイジ整腸薬」という商品が細粒タイプで市販で買える整腸剤になります。

ミヤBM細粒について

ミヤBM細粒は1g中に宮入菌末を40mg含有しています。(ミヤBM錠2錠分)

新ミヤリサンアイジ整腸薬について

新ミヤリサンアイジ整腸薬は3類医薬品にされています。

強ミヤリサンとは違い、宮入菌にビタミンB2とビタミンB6が配合された整腸剤で、小児(3ヶ月以上)~大人まで服用することができます。

市販薬ミヤリサンはどこで買えるの?

強ミヤリサンはドラッグストアなどで購入可能です。

しかし、店舗に行っても在庫がない場合もあるので、事前にお店に在庫を確認するかインターネット通販での購入が確実です。

強ミヤリサンは善玉菌を有効成分とするなので用法用量をきちんと守っていただければ、毎日服用しても問題ありません。

ですが、1ヶ月ほど服用しても症状の改善がないようであれば、なにか病気が隠れている可能性もあるので一度病院を受診するようにしましょう。

まとめ

もう一度ミヤBMと強ミヤリサンの違いをおさらいします。

  • 1錠あたりの成分量が違う
  • 一回に服用する錠数が違う
  • 医薬品と医薬部外品の違いがある
  • 添加物が若干違う
  • 強ミヤリサンはネットでも購入できる
  • ミヤBMには粉タイプがある

以上、ミヤBMと市販薬ミヤリサンの違いについての解説でした。

市販で購入できるミヤリサンについてはこちらの記事で詳しく説明しています。

>>>【ミヤリサン】酪酸菌の効果や副作用 | 痩せるといわれる理由を薬剤師が解説

最後までお読みいただきありがとうございます。

 

参考資料

ミヤBM細粒/ミヤBM錠 添付文書

この記事を書いた人
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薬剤師 森 佑貴

ユウキ薬局代表。保険薬局で薬剤師として5年間勤務した後、零売専門薬局「ユウキ薬局」を開業。現場で薬剤師として勤務する傍ら、「一般の方向け」に「わかりやすく」お薬の情報を届けられるように記事を執筆しています。

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