リベルサスを服用したあと、「まだ眠いから少しだけ…」と二度寝してしまっていませんか?
ネット上では“二度寝はダメ”といった情報を見かけることもありますが、実際のところ、医学的に二度寝が明確に禁止されているわけではありません。
ただし、血糖値を下げる薬であるリベルサスの特性上、服用直後の低血糖リスクには注意が必要です。
本記事では、なぜ「リベルサス服用後は二度寝NG」と言われているのか、その根拠と正しい服用方法について薬剤師が解説します。
リベルサス服用後の二度寝がダメと言われる理由について
リベルサスは低血糖を引き起こす可能性がある
リベルサスはGLP-1受容体作動薬として、インスリンの分泌を促す働きがあります。
食事を摂る前にこの薬を服用すると、血糖値が下がりやすくなります。
もしその状態で再び眠ってしまうと、低血糖の症状に気づかず、重症化するリスクがあるため注意が必要です。
眠っていると低血糖に気づきにくい
低血糖になると、冷や汗、動悸、めまい、ふるえなどの症状が出ますが、眠っているとそのサインに気づくことができません。
放置されると意識障害やけいれんなどを引き起こす恐れもあるため、服用直後はしっかり起きて体調の変化に注意を払うことが大切です。
必ずしも二度寝が禁止されているわけではない
医学的に「リベルサス服用後に二度寝してはいけない」という明確な禁止事項があるわけではありません。
しかし、前述のように低血糖症状に気づかないことがあるため、安全のために“二度寝を避けるように”と推奨されているのが実情です。
リベルサスによる低血糖への対策
服用後30分は安静に過ごす
リベルサスを服用したあとは、最低でも30分間は飲食を控える必要があります。この間は空腹状態が続くため、血糖値の低下に注意が必要です。
特にこのタイミングでジョギングやランニングなどの激しい運動を行うと、血糖値が急激に下がり、低血糖を引き起こす恐れがあります。
服用後は座った姿勢で静かに過ごし、自分の体調に注意を払いましょう。
運動は食事をとってから行うのが安全であり、強度の高い運動を行う場合には途中で糖質を摂取することも意識しましょう。
過度な食事制限を避ける
リベルサスは即効性のある薬ではなく、効果を実感するまでには2〜3ヶ月ほどかかるとされています。
そのため、早く結果を出したいという焦りから、リベルサスの服用と同時に過度な糖質制限などのダイエットを行ってしまう方も少なくありません。
しかし、極端な食事制限はリベルサスによる低血糖のリスクを高めてしまいます。
リベルサスが作用して自然に食欲が抑えられれば、無理に制限しなくても食べ過ぎによる体重増加は起こりにくくなります。
極端な制限よりも、糖質に加えて、ビタミンやミネラル、たんぱく質も含めたバランスの良い食生活を心がけましょう。
用法・用量を守る
リベルサスには3mg・7mg・14mgの3つの用量があり、まずは3mgから開始するのが一般的です。
その後、4週間以上継続しても効果が不十分な場合は、7mgへ、さらに必要に応じて14mgまで増量されることがあります。
効果を早めたいからといって自己判断で用量を変更したり、複数錠をまとめて服用したりすると、副作用のリスクが高まるだけでなく、薬の効果が不安定になる可能性もあります。
効果に不安がある場合や、用量の変更を検討したい場合には、必ず医師に相談しましょう。
リベルサスの正しい飲み方と注意点
基本的な服用ルール
リベルサスは、朝起きてすぐの空腹時にコップ半分(120ml以下)の水で服用します。
飲み物は水のみとし、お茶やジュース、コーヒーなどは避けましょう。
また、服用後30分間は飲食や他の薬の服用を控える必要があります。
この間に他の薬や食事を摂ってしまうと、吸収が妨げられ、十分な効果が得られない可能性があります。
※リベルサスの飲み方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
服用後の過ごし方のポイント
服用後は、体を横にせず、なるべく座ったまま静かに過ごすことが推奨されます。
たとえば、ニュースを見たり、ストレッチをしたりするなど、軽い活動であれば問題ありません。
この間に強い運動や睡眠(二度寝)をすると、薬の作用が不安定になったり、低血糖を引き起こすリスクがあります。
飲み忘れた場合の対処法
リベルサスを飲み忘れた場合、すでに食事を済ませているならその日は服用をスキップし、翌朝から再開してください。
空腹状態でないと効果が落ちるため、中途半端な時間に服用するのは避けましょう。
また、2回分をまとめて飲むのも禁物です。必ず1日1回、決まったタイミングでの服用を心がけてください。
二度寝を防ぐための生活習慣
自然に起きられる環境を整える
朝の目覚めをスムーズにするためには、自然光を活用することが効果的です。
カーテンを少し開けておき、朝日が差し込むようにすることで、体内時計がリセットされやすくなります。
また、目覚まし時計を複数使ったり、少し離れた場所に置くことで、布団から出るきっかけをつくるのもおすすめです。
スマートライトなどを活用し、時間に応じて明るくなる照明を取り入れるのも有効です。
朝のルーティンを決める
起床後の行動をあらかじめ決めておくことで、無意識のうちに行動でき、二度寝を防ぎやすくなります。
たとえば「リベルサスを服用→コップ1杯の白湯→歯磨き→顔を洗う→日記をつける→軽いストレッチ」のように、自分に合ったルーティンを作りましょう。
毎日同じ流れを繰り返すことで、体も覚えてくれますし、朝の行動にメリハリが出て、眠気も和らぎやすくなります。
まとめ
リベルサス服用後に二度寝を避けた方がよいとされるのは、「低血糖の兆候に気づきにくくなる」ことが主な理由です。
服用後30分間は安静に過ごし、体調を観察することが重要です。
また、服用方法や用量を守ることも、安全かつ効果的にリベルサスを使うためには欠かせません。
朝の習慣を整えることで、服用忘れや二度寝のリスクも減らせるでしょう。
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